この甘さと奥深さの理由は、「種無し処理」や「実を大きくするため」のホルモン剤(ジベレリン等)を一切使わず、自然のままの姿で育てていることが本当に大きいです。
実は以前、お客様からこんなお電話をいただいたことがあります。「種がない粒もたくさん入っているのだけど、これは本当にホルモン剤を使っていないの?」ご心配になられるお気持ち、とてもよく分かります。市販のぶどうの多くは薬を使って「人工的に」種を無くしているため、「種がない=薬を使っている」というイメージがありますよね。
ですが、植物も人間と同じです。ホルモン剤を使わなくても、受粉のタイミングや天候などによって、すべての粒に100%種が入るわけではありません。人間が手を加えなくても、自然の力だけで種が入らない粒(無核果)はたくさん生まれるのです。
私たちは、「種が全くない、薬で作られた不自然なぶどう」を食べるリスクや違和感を考えたら、大自然の中でたくましく育ったぶどうに「種が入っていること」なんて、大して気にならないと考えています。種があることこそが、薬に頼らず、ぶどうの木が自分の生命力だけで実らせた「本物の証」なのです。
さらに今年は、半分以上が猿の被害に遭ってしまいましたが、それが結果的に贅沢な「摘房(実の間引き)」となり、生き残った房に大地の養分がこれでもかと集中しました。木の上で完熟ギリギリまで熟すのを待ち、ベストタイミングで収穫したからこその、この驚異的な糖度とワインのような深みです。