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生産者のお便りとお知らせ

雄鶏の役割を知っていますか?

こんにちは、ホホヱミ農園の長男です。  僕は普段父と一緒に鶏の世話をしています。そして、一羽一羽のニワトリに日々向き合っています。すると、数々の面白い発見します。その中の一つをご紹介させていただきます。 ニワトリたちは昼間鶏舎の外でのんびりとしています。うちの品種は雄鶏が白色、雌鳥が茶色です。雄鶏と雌鳥の性格は少し異なっています。

雌鳥は大抵は食べる事に集中しています。それに比べ、雄鶏は美味しい物を見つけても、雌鳥に譲ることが多いように見えます。 また、ある時、一羽の雄鶏を、雌鳥たちから遠ざけてみました。すると、その雄鶏はみんなのところに戻ろうとします。雌鳥は他の鶏たちから遠くに離しても、落ち着いてその場にあるものをついばみ始めます。雄鶏も一羽だと戻ろうとしますが、雌鳥が一緒にいると大人しくなります。

雌鳥が雄鶏について行くのか、雄鶏が雌鳥について行くのか、わかりませんが、雄鶏が単独でいるのはあまり見かけないように思えます。 雌鳥は一日中よく食べていますが、雄鶏は雌鳥たちのそばにいて、何かを見つけると、雌鳥にプレゼントをして、「自分の近くにいると良いことがあるよ!」とアピールしているように僕には見えます。

このように雄鶏は卵を産まない分、必要になる栄養の量が少ないのか、あまり食べ物を探しません。その代わり雄鶏は危険に対する警戒もしているようです。 普段は、草刈機などの大きな音にも動じません。 しかし、トンビが近くへ来て羽音をたてたり、猫の声がしたり、天敵のツミ(小型の猛禽類)などが空を横切ると雄鶏が警戒音を発します。 すると、今まで地面を見ていた雌鳥たちが一斉に顔を上げ、感覚を研ぎ澄まします。場合によっては草陰に隠れます。 このように、雄鶏は自然と雌鳥たちをまとめているような気がします。雌鳥だけでもまとまりをもちますが、雄鶏がいることで、さらに安定しているように見えます。

一般的に雄鶏を飼うのは有精卵のためと思われがちですが、雄鶏がいることで雌鳥たちがより安心して過ごせるという大きなメリットがあると思います。

ホホヱミ農園山口県(養鶏)

ホホヱミ農園があるのは、海に山にと自然豊かな山口県の西端にある向津具半島です。
クジラやイルカの訪れる豊かな海に囲まれているだけでなく、造林されていない古い照葉樹に覆われた、人口密度のかなり低い環境に農園があります。
薮化した耕作放棄地を活用し、ニワトリたちは放し飼いでストレスなくのびのびと暮らしています。
できるだけニワトリたちの野性が発揮されるような養鶏を目指しています。

ニワトリは家畜ではありますが、ともに生きる存在として大切に思っています。
ニワトリは人と自然の間に立ち、人と自然をつなぐ稀な存在です。
我が家の子供たちはニワトリから多くを学んできました。
卵の生産に加えて、生き物と一緒に生きることの豊かさを、特に子どたちに向けて発信していきたいと思っています。

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