月岡農園 Moonhills&Forest_op_cp

生産者のお便りとお知らせ

「星屑たまご」を見たことがありますか?

卵の殻に白い斑点が付いていることがあります。 これを僕は「星屑」と呼んでいます。 卵は生きているので呼吸をしています。 殻には小さな気孔がたくさんあり酸素を取り入れる他、水も通すような作りになっています。 当然、雑菌も入ります。 このため、殻の外側をクチクラと呼ばれる膜が覆っていて、雑菌の侵入を強力に防ぐバリアの役割をはたしています。 卵は産み落とされた瞬間は濡れています。 この濡れがクチクラで、わずか10秒ほどで急速に乾き白い斑紋として残ります。 この斑紋が特に多いものが、「星屑」のような模様になる訳です。 つまり、星屑の模様はクチクラの分泌量の多いニワトリの卵ということなので、より健康的と思えます。

このクチクラは水に溶ける性質のものです。 水で洗うとさっとなくなってしまい、卵はバリアを失うことを意味します。 ニワトリが雨のかかりにくい場所を厳選して産卵したり、雨の日に卵の上から離れないのはクチクラの溶出を防ぐためなのです。 卵を水で洗う場合、消毒して無菌状態にし、調理の瞬間まで無菌状態を維持する必要があります。 市販の卵には「たまごを水で洗わないで」と書かれているのは、バリアのない状態でそうすると殻が水と一緒に雑菌を通してしまう可能性があるためです。 ホホヱミ農園では卵の汚れをひとつずつ丁寧に手で拭き取ります。 そもそも、汚れがつかないように、産卵箱は毎朝きれいに掃除します。 卵が本来持っている高度な防御機能を信頼して大事にしています。 非効率は否めませんが、日々、卵を磨きながら静かな時間を楽しんでいます。

洗っていない卵「無洗卵」はすべてクチクラに守られています。 でももし「星屑たまご」を見つけたらそれは当たりのようなものです。 命の強さを感じていただけたらなと思っています。

ホホヱミ農園山口県(養鶏)

ホホヱミ農園があるのは、海に山にと自然豊かな山口県の西端にある向津具半島です。
クジラやイルカの訪れる豊かな海に囲まれているだけでなく、造林されていない古い照葉樹の森に覆われてた、人口密度のかなり低い環境に農園があります。
薮化した耕作放棄地を活用し、ニワトリたちは放し飼いでストレスなくのびのびと暮らしています。
できるだけニワトリたちの野性が発揮されるような養鶏を目指しています。

ニワトリは家畜ですが、ともに生きる存在として大切に思っています。
ニワトリは人と自然の間に立ち、人と自然をつなぐ稀な存在です。
我が家の子供たちはニワトリから多くを学んできました。
卵の生産の延長線上に、生き物を一緒に生きることの豊かさを、特に子どたちに向けて発信していきたいと思っています。

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