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生産者のお便りとお知らせ

きっと多くの人が知らない『黒糖(黒砂糖)』のこと

こんにちは。タイケイ製糖の島外担当です。生まれも育ちも本土で、ずっと黒糖ど素人だった私にとって、黒糖のことは知っているようで知らないことだらけで驚きっぱなしだったので、紹介したいと思います。 地元の方や、黒砂糖好きの方にとっては当たり前のことかも知れませんが、よろしくお付き合いください!

1.黒糖には「旬」がある

「さとうきび=南の島の物産=暖かいところ」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、さとうきびは暑いと糖度が落ちるので、冬から春にかけてが加工シーズンになります。 製糖場によるのですが、だいたい11月下旬〜4月あたりに製糖を行うところが多いです。

ちなみに、中田さんは12月下旬に初炊きを行い、本製造は1月〜5月初旬まで行っています。曰く「寒くなるまで待ったほうが美味しいから。」とのこと。 年中見かけるから、年中作れるものだと思っていました…。

通年で製糖作業を行うとしたら、夏でも糖度が落ちない品種のさとうきびを使用するか、冬〜春の間に絞った搾汁を冷凍保存しておくことになります。 また、通年見かける黒砂糖は、後述する「加工黒糖」の場合が多いです。

2.黒糖には「2種類」ある

一般的に黒砂糖として扱われるものには2種類あり、さとうきびの搾汁を煮詰めて固めた「黒糖」、ショ糖などの糖類にさとうきびの搾汁を混ぜて黒糖風味をつけた「加工黒糖」がそれになります。 加工黒糖に対して、黒糖は「純黒糖」と表示されることも多いです。

本土では黒砂糖として「加工黒糖」が販売されていることが圧倒的に多いです。店頭などで見かけた際には、ぜひ食品表示欄をチェックしてみてください。 これには日持ちやコスト面で有利なことも考えられますが、絶対量として純黒糖(黒糖)が少なく、その大半を地元の人たちが消費していることが挙げられます。

地元での消費といっても、生活習慣から消費量が違いますし、島外で暮らす親戚や友人に送る分も含みます。(送る量がすごい!)

濾し器にかけながら、搾汁を鍋に充します。

アクを掬いながら煮詰めます。

3.黒糖は「そのまま食べる」

チョコレートや飴のように、そのまま食べるのが現地スタイルです。 本土の方でも、「昔、おじいちゃんやおばあちゃんが黒砂糖を食べていた」と仰る方もいますが、古めかしい話でもなければ、おやつのバリエーションがない訳でもなく、美味しいからです。 ちなみに現地の人がおやつとして食べているのは、ほとんどが純黒糖(黒糖)です。

私も純黒糖(黒糖)の味を知ってから、そのまま食べないともったいないなと思いました。 加えて、長年「黒砂糖はどれも同じ味だろう」と思っていましたが、地元の方々の「あそこの製糖場が好きだ」とか「これにはここの黒糖だ」という思いおもいに食べ分けている会話を聞いて興味が湧き、色々な黒糖を取り寄せて食べ比べました。 さとうきびの品種、育った土壌、使用されている肥料、収穫時期、作り手などに左右されているのか、それぞれの黒糖が本当に個性豊かで面白いです。

4.黒糖は「カビる」

黒糖は精製糖と違い、ミネラルなどの(言われ方が残念ですが)不純物を含むため、カビが発生することがあります。 ですが、基本的に腐ることはないため、冷蔵庫に入れるなどしてきちんとカビ対策を行っていれば、いつまでも食べらます。 と、生活者レベルでは言われています。

特に南の島の高温・多湿の環境は大敵です。冷蔵庫がない時代には、冬〜春に炊いた黒糖が夏を越すときに、炊き直しすることもあったそうです。 ですが、炊きたてが風味たっぷりで一番美味しいです!

加計呂麻島 タイケイ製糖鹿児島県(農産物生産・加工)

『今では希少になった”在来さとうきび”を栽培』
在来種さとうきび・太茎(タイケイ)種は、品種改良後のものに比べて虫や台風に弱く、今ではほとんど栽培されていません。しかし味はピカイチ!「美味しい黒糖やきび酢を味わってもらいたい」という一心で、栽培や加工に励んでいます。
 
作り手:中田米城
加計呂麻島で生まれ、高校進学を機に奄美大島の対岸の街に移り住みました。「太茎種」の味わいが忘れられず、定年退職を機に加計呂麻島の実家跡周辺の開墾を開始。今は大島海峡を自家用ボートで渡り、畑の手入れに向かう日々です。

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