自然栽培園北村について

より安全なごはんを食べてもらいたい

本物の自然農法をやり始めたきっかけは、1983年よりナスのビニールハウスを建て、栽培を始めたことでした。 使う肥料の多さにびっくり! 反当たり100俵(2000kg)ものたくさんの肥料のおかげで虫の発生数と種類のすざまじい事…。

そして冬場は温度を上げるためにビニールを締め切るので湿度95%以上となり、カビの発生が非常に多いのです。 寒いとき、殺菌剤を10日に1度、暖かい季節になると殺虫剤を4日に1回という有り様です。

そして使う肥料も1ヵ月に10俵(200kg)は施していました。 また、着果させるためにホルモン剤も使いますが、これにも殺菌剤と殺虫剤と食紅も入れます。

このような栽培法をしていた私も徐々にこう思うようになりました。 「こんなに有害で恐ろしいものを使った作物を食べて、このままでは人類は滅んでしまうのではないか…」 そんな時、自然農法(無肥料・無農薬栽培)と出会い、 本物の自然農法農産物は美味しいと知ったのです。 人の身体は、食べ物で肉体が作られます。 健康な身体を保つ為に、添加物や農薬使用が無い物を採る事が大事です。 自然の食べ物は、免疫を向上させて、毒物を排出してくれると思います。 それから早速、私は1986年6月に10aの田んぼを、翌62年には50aに、 三年後は160aの全ての水田を自然に切替えることが出来ました。 そして1989年9月よりビニールハウス450坪の面積の半分を自然野菜に切替え、 1990年より全部自然野菜に切替えました。 そして、ビニールハウスを解体し、水田にしてお米を本物の自然農法で作っています。 よって185a全部水田を自然栽培しています。

北村広紀の自然農法とは

私が実行している本物の自然農法とは、化学肥料はもちろん、糞尿、生ごみ等他の地域から生産された有機肥料も使用せず、太陽、水、土の力をフルに発揮させ育てること、そしてもちろん農薬は使用しない農法を指します。

継続的に同じ土地で栽培して、種も自家採取し継承し、生命のエネルギーを頂いております。 消費者の方の質問に「肥料を使わなかったら、いずれ土の肥料分がなくなり、段々作物が取れなくなるんじゃないの?」という意見をよく聞きますが、そういうことは有りません。 なぜならば太陽、水、土そのものが自然の肥料だからです。 その証拠に、例えば川の土手や空き地に雑草が、何も肥料を与えられなくても絶えることなく元気に成長しているのです。

そしてもう一つ多い質問で「虫の被害はないのですか?」ということを聞かれますが、確かに虫の被害が無い訳では有りません。 しかし肥料を施せば、葉から窒素ガスを出し、それに誘われて虫が寄る=肥料が虫を発生させているようです。 そのような訳で肥料を施さないので、虫の発生はほとんどありません。

以前、自然農法を始めた頃は、苗が15cm位の時に虫がびっしり付き困った事が起きました。 その時に考えた事は、私が使えるのは、太陽と水と土だけ、必死に考えました。 そこで思い付いたのは、水を使おうと思い、苗床に水を一杯入れます。 すると、虫は苗の上部に上がります。 そこで、竹の棒で払落し虫を水に浮かし、水と共に川に流しました。 これを数回繰り返すことで虫の被害を減らすことが出来ました。 この水を使った撃退方は、時間と手間が掛かるので、虫捕り網を使う事もありました。 現在は、細かいネット網を活用しています。

自然に向き合うと自然から学ぶ事が数多く有ります。 自然から逃げない事が北村広紀の自然農法です。