里山BOTANICALのお知らせ
2021/03/29

“越後やすづか 雪むろの塩”のこと

先日、塩麹の手づくりセットを発売しました。

このセットにつかっている “ 越後やすづか 雪むろの塩 ”のことをもっとくわしくお伝えします。 この塩は、太古より良質な塩づくりがおこなわれてきた、フィリピンのパンガシナン州の天日塩を安塚の雪室でじっくり熟成した塩です。雪室にいれて一年間熟成することで、ほどよく“にがり”がぬけて、まろやかな味わいに仕上がっています。実は、麹チーズケーキにも、この天日塩をつかっています。

フィリピンでの塩づくりのこと

塩の製造場所は、フィリピンのパンガシナン州のダソル市。この海沿いの町から、上越市安塚に嫁がれたお嫁さんの縁で、この塩を輸入しています。

上流の山里からとどいた豊富なミネラルが、はぐくんだ塩

塩田のある海に注ぐ大河の400kmほど上流には、上越の安塚を彷彿とさせる棚田の風景がひろがっています。棚田があるところは肥えた土があります。そこに雨が降って肥えた土が流れ、川がミネラルを海に運んでくれます。

ミネラルが豊富な海は植物プランクトンを産み、動物プランクトン、小魚、中魚と食物連鎖が起きやすくなります。植物も自然栄養豊富な方が美味しいです。大河を流れて海にたどり着いた豊富なミネラルが海水を豊かにし、その海水で上質な塩がつくられているのです。

塩田での塩づくりのこと

海水を塩の干満を利用して水路で塩田に引き込み、太陽の熱と風で乾かした天日塩です。出来上がったばかりの天日塩は苦いので、日本に輸入してから約1年間、湿度の高い雪室の中でにがりを抜いています。非加熱のため、ミネラル成分を豊富に含有しています。特に、他の天日塩にくらべて、マグネシウムが多いのが特徴です。豊富なミネラルが発酵を手助けしてくれるので、特に発酵食品にお使いいただくのがおすすめです。

【天日塩の成分 】 塩化ナトリウム81% / マグネシウム0.72% / カルシウム0.45% / カリウム0.26% (分析:新潟県上越環境科学センター)

フィリピンでは乾季(12月~5月)は、ほとんど雨が降りません。塩はこの時期に、火力による加熱をせずにつくられます。

海の潮の干満を利用して、まず第一の池に海水が引き込まれます。雨が降らず毎日の太陽の強い日差しが降り注ぎ、水分が蒸発します。

第一の池で塩分濃度が高くなったら、第二の池に少しずつ移されます。そこでさらに塩分濃度が高まり、第三の池ではなり濃度の高い海水となっています。 この期間、約一週間です。

天日塩の収穫

天日塩の収穫は夕方に行われます。家族総出でレンガ張りの2坪ほどの区画が連なる塩田で、干あがった天日塩がかき集められ、天秤棒で塩倉へと運び込まれます。

すっかり塩が収穫されたレンガ敷きの塩田に第三の池から濃い海水が流し込まれます。 すべての区画に均等に、明日の夕方も、また塩が程よく出来上がるのを見据えて、海水を流し込みます。

にがりを抜くために、数年熟成

出来上がったばかりの新塩をなめてみると、まだニガリが多くて苦味が強くとても渋く、料理には使えません。高級な塩ほど長く塩倉に寝かせて苦味を抜きます。4年ほど寝かせる場合もあります。

雪むろの塩は、一番高品質な3月の塩

同じ地方のワインでも畑ごとに味が異なるのと同じく、フィリピンはパンガシナン地方の天日塩と言っても、塩田ことに味や製品の品質が異なります。「雪むろの塩」は、盛んに生産する3月に一番高品質のものを選び抜いて、余分なニガリを抜くためにまずは現地の倉で寝かせて、さらに現地の人を雇用し海藻くずや貝殻のかけらを手作業で取り除きます。

アマルバラン村の方々による手作業。わらくず、木の葉、海藻くず、貝殻などを取り除いています。

含有物の調査結果

塩においては、重金属(カドミウム・ヒ素・水銀・鉛・銅)含有量が問題となりますが、上越環境科学センターにて全て不検出という結果が出ています。

おすすめの使用法

大粒で粗い塩ですが、結晶は網目構造ですぐに溶けます。

◯野菜の塩茹で・ ・野菜のうまみ・甘味、素材のよさが引き出されます。

◯スープ、お吸い物・・塩だけで、昆布だしのように、うまみ成分がロの中で広がります。

◯おにぎりに ・・塩味のうまみが米の旨みを一層引き立てます。

◯浅漬けに ・・塩だけの浅漬けを味わってみていただきたいと思います。

◯加工に ・・啝曾、醤油、梅干などの塩味が製品を左右する加工品にもオススメ。但し、量は一割多めに。

◯ 焼肉注意・ ・あまりのおいしさに家計を圧迫する恐れがありますのでご注意を。焼いた後のつけ塩に。

◯魚の塩焼き・ ・塩をふってから、30分くらい置くと、魚に塩がなじみます

(失敗例)

塩分濃度が8 1 %です。料理の失敗は無し、と言うほど塩辛くなりませんが、逆に塩分濃度が低いため、野沢菜漬けでいつもの塩量ですっぱくなってしまったという例もあります。1割・2割多めに。

里山BOTANICAL新潟県(新潟ローカルブランド)

新潟の中山間地にあり、古くから受け継がれてきた棚田や、自然の美しい風景をもつ上越市の安塚。里山ボタニカルは、安塚の里山にある、豊かな植生やお米を素材にしてつくった品物をおとどけする、地域ブランドです。
この地域の里山には、とても多様な樹木や植物が自生しています。一見、何気なくただ生えているだけに見える植生も、丁寧にみつめてみると、それぞれ愛おしく感じられるような個性や、とても深いストーリーをもっていることに気付きます。そんな小さな物語たちを、私たちが一つ一つ丁寧に手づくりした品物にのせて、おどけします。