LOROfarmについて

広島県はしまなみ海道沿いの高根島で化学農薬・化学肥料不使用の柑橘を栽培しています

LOROfarm(ロロファーム)は広島県尾道市のしまなみ海道沿いに位置する瀬戸田町の高根(こうね)島にあります。 化学農薬・化学肥料・除草剤・ワックス・防腐剤・ヘタ落ち防止剤は全て不使用で、自然と協力した柑橘栽培に取り組んでいます。 栽培する柑橘は、温州みかん・レモン・ネーブル・紅八朔・はるみ・清見・はるか・安政柑・しらぬいなど。

高根島は昭和中期に関東・関西でブランドみかんとして愛された「高根島みかん(こうねみかん)」の産地です。 現在は農業団体の合併により他の地域のみかんと一纏めにされて販売されることが多く、ブランド力を失ってしまいました。 しかしながら、ここ高根島みかんの品質は今でも別格です。 「高根島みかん」をブランドみかんとして復活させるため、そして柑橘名産地として活性化させるためにも、夫婦で日々農業に精を出しています。

農業を始めたきっかけは海外での農業経験でした

私自身、もともと競走馬に興味があった為、畜産を学ぶべく農業高校に進学しました。 大学時代はバックパッカーとして世界を旅しており、大学卒業後はワーキングホリデーでオーストラリアに行きました。

2年目のビザを取得するためにたまたま始めた仕事が農業です。 ナス、パプリカ、ズッキーニ、プラム、メロンなど、収穫時期によって北南に移動しながらテント生活しながらの農業2年。 現地で大規模な農業を目の当たりにし、こんなにも農薬を使うのかとショックを受けました。

もともと食へのこだわりが強かったというわけではないのですが、実際に作る過程を経験してみて、まるで食べ物を作っている感じがしなかったのです。 これは違うと自分の中で違和感が大きくなり、化学農薬や化学肥料を使わない今の農業へつながりました。

また、オーストラリアでは様々な国の方と共に作業をしていましたが、日本人の仕事の丁寧さが際立っていたことに気づきます。 農業の世界でも日本人ならではの丁寧さで勝負できるのではないかと、日本での農業の可能性を感じました。 「日本人だからこそできる丁寧な農業がしたい、栽培過程を見られても安心して食べられるものを作りたい」と考えています。

帰国後は県内の観光農園や、瀬戸田町にUターンして地元の先輩農家さんのもとで農業実習を積ませていただき、2019年よりLOROfarmを開始しました。 地元瀬戸田町はレモン日本一の生産地、せっかく農業をするならここで、と思ったのがUターンを決めた理由です。 私は瀬戸田町の生口島出身ですが、祖父母が高根島(瀬戸田町)の自宅横に1反のみかん畑を有していたため、瀬戸田町の中でも高根島での就農を決めました。

生産方法については、農家さんによって様々な価値観と考え方がありますが、草刈りなど夫婦二人で一生懸命作業してきちんとすることでだんだんと異なる生産方法の先輩農家さん方にも認めて頂くようになりました。

引退された高根島の大先輩農家さん方から引き継いだ畑が増えていく中、高根島の柑橘への思いが強くなり、先輩方が繋いできたこの味を守りたいと思うようになりました。

減農薬ではなく、不使用にこだわっています

消費者側だった頃、「皮ごと安心して食べられるレモン」とうたっているのに「皮はたわしでよく洗ってください」等の表記に疑問を持っていました。 また、日本で許可が下りている農薬は既に海外で使用禁止のものも多く、実際に店頭に並ぶフルーツを食べるとのどが痒くなるといったお声もよく聞きます。 私が農薬を使わない作物を作るのは、お客様へのごまかしをしたくないというのが一番の理由です。 人間の体にも優しい、自然の生態系を極力乱すことなく未来に繋がる農業がしたいと思っています。 価格のせいか、日本は有機栽培やオーガニックへの興味が薄いという印象があります。 当園が「有機JAS」認証を取得していない理由でもあります。

そもそも「有機」という表現が分かりにくい。 であれば「化学農薬・化学肥料不使用」と分かりやすく売り出したいというのが当園の考えです。 これから興味を持つ方が増えることを期待して、安心安全でおいしい食を広められたらと思っております。

海外では有機栽培は当たり前の存在となっており、オリンピックを期に日本人にももっと有機の感覚が浸透するはずだと思っていたのですが、思っていたよりも入ってこなかった感じがします。 本当に安心して食べられる美味しい柑橘を作り、日本人の意識を少しずつでも変えていけたら嬉しいです。

安全だから味は二の次、安全だから見た目はボロボロでも構わない、という印象をお持ちの方が多い気がしています。 当園では見た目にも味にもこだわっています。 良い意味でイメージを裏切る、安全・美味しい・綺麗な柑橘をお届けしたいです。

小さな島だからこそ、農薬削減に努めています

除草剤を使わない農業は体力的にかなり大変です。ですが草刈りは徹底しています。 柑橘は傾斜がある方が良いものができるのですが、その傾斜の草刈りは本当に大変です。

除草剤不使用だと色んな虫がやってきますが、益虫も沢山います。 山は虫を含めみんなの物。 雑草とは思えないような綺麗な花や、食べられる雑草など、四季折々の自然も感じられる楽しさもあります。

また、草刈り後の雑草はマルチの役割を果たすとも考えています。 自然の力で土の乾燥を防いだり、温度管理になるのです。 刈られた雑草の栄養素は果樹が吸収し、美味しい実をつける為の自然の栄養素にもなっていると考えています。 マルチの成分であるビニールやプラスチックの削減にもつながります。 あくまで人はお手伝い、自然が作り出す味を守りたいです。

私たちが住むのは小さな島です。 海と畑は近く、雨が降れば除草剤や農薬が海に流れているのを感じています。 私は海で遊ぶことも好きなので、これからもきれいな瀬戸内海を守っていきたいという思いもあります。 小さな島だからこそ、農薬削減に努めたいです。

目標は、高根島の味を守り「ザ・日本のみかん」になること!

繰り返しになりますが私たちの目標は「高根島の味を守ること」です。 現在は県内でも認知度が低いですが、いずれ広島県の名産品として、日本のブランドみかんのひとつとして、皆さんに誇りに思ってもらるような「ザ・日本のみかん」にしたいです。 競走馬で一番を目指していた気持ちが今はみかんの日本一です! 儲からない・かっこ悪い・大変そう、そんな農業のイメージを変えたいと考えています。

また、瀬戸田町は、国内外問わず多くの方が来られる観光地です。

同じ瀬戸田町の生口島と異なり、現在はお店が一軒もない高根島ですが、今年から当園で小さな直売所兼ドリンクスタンドをオープンしました。

島の柑橘の味を知るきっかけの1つとして、高根島に足を運ぶきっかけの1つとして、少しでも島の知名度を上げる原動力になりたいと思っています。 私達を見て、「なんか面白そう、この島で農業をしたい」と思ってくれる未来の仲間に出会えたら最高です! 最終的には海外でも高根島の柑橘を愛していただけることを目標にしています。 生果の輸出はハードルが高いですが、まずはジュースから輸出に挑戦していきます。

高根島みかんをもう一度ブランドみかんとして復活させ残していきたい

高根島は昭和中期に関東・関西でブランドみかんとして愛された「高根島みかん(高根みかん)」の産地です。 今では農協の合併により高根島みかんは他のみかんと混ぜて「広島みかん」「瀬戸田みかん」と一纏めにされており、ブランドとしての価値が無くなってしまっています。

高根島は全周11kmの小さい島ながら、標高の高い山を有し、年間を通して降雨量が非常に少なく温暖な気候です。 海面からの反射光、ミネラルたっぷりな潮風、どれを取っても柑橘栽培に適しています。 ブランド力を失った今でも、高根島が作り出す柑橘の味は抜群です。 みかんは同じ品種でも栽培する土地や生産者で味が大きく変わります。 高根島みかんは高い糖度だけでなく、程よい酸味とのバランスと薄い外皮・薄皮が特徴です。

高根島の農家は減少の一途を辿り、高根島みかんの生産者も減少しています。 もう一度ブランドみかんとしての価値を復活させたい。 この味を失いたくない。未来に繋げたい。 その思いで、微力ながら「高根島みかん」の販売・普及に励んでいます。

県内でも「高根島」の名を知る人は一握りです。 「高根島みかん」をとにかく一人でも多くの方にお召し上がり頂きたいです。 一度食べたら忘れられない自慢のみかんです。

高根島みかんに関しては「みかんがそんなに好きじゃない方」です。 当園のみかんは薄皮が口に残りません、水っぽくもありません。 糖度〇度以上にはこだわっていません。みかんの概念を覆します! みかん嫌いだったお子様や大人のお客様方からも何度もリピート頂いており、「こんなみかんは初めて」とお墨付きを得ております!