母の日

2020/07/05

柑橘系の木にはアゲハ蝶がよくやって来ます。
産卵のためです。
20年くらい前に初めて金柑の苗を買ったのですが、
毎年枯れずにはいるのですが、枝にはトゲだけが生えていて、葉っぱが一枚もなく
金柑の実は一つもできず、
「これ、何の木?」
年を追うごとに 植えた木が本当に金柑だったんだろうかと疑うようになりました。
それから随分して、柑橘類の木にはアゲハ蝶が卵を産むので、
孵化した幼虫が葉っぱを食べる事を知りました。
「あ〜!うちも葉っぱ食べられてたんだ・・・やっぱり金柑だったんだ。」
それにしても、丸坊主になるまで食べてしまうなんて少し酷過ぎやしませんか?
幼虫さんよぅ!
おかげで、私はこの金柑の木を
「何かよく分からないトゲの木」
と改名して眺めていたのですから。
だけど、1匹も「なんかよく分からないトゲの木」でサナギになっている姿は
みたコトがありません。
幼い木だったので、葉っぱを食べ尽くして、ほかの場所に餌を求めて移動していたのでしょう。
それからは、アゲハ蝶の卵が産みつけてあると、
指で卵を取り去って葉っぱを守るようにする様になりました。
昨日までは・・・。
妹から一枚の写真が送られて来ました。
「サナギ」です。

お姉ちゃんは小学生ではないので「サナギ」の写真に
「おぉ〜!サナギ!✨」と目をキラキラさせたりはしないのに、
どうしてサナギの写真を送って来たんだろう?
その写真には文章が付け加えられていました。
「ーサナギになる前のサナギってなんて呼ぶの?ー」
もう一度その写真をよーく見ると
「サナギになりかけてる!」サナギだったのです。
やわらかい新緑の色の体を少しだけ木の枝色に変化させています。
誰に教わったわけでもなく、細い糸に体を預けて大仕事を静かに進めています。

翌日の朝妹からもう一枚写真が送られて来ました。
わずか数時間で、すっかりサナギの姿に変わっていました。
ビデオも送られて来ていて、妹がそのサナギの体に指先をそっと当てると
「ブンブンブン!」とすごい勢いで体を左右に振り身を守っています。
もうすぐ、皮が硬くなっていき、その動きさえしなくなるのでしょう。
そうして、アゲハになって空を舞う日までじっとこの中で、変化して行くのです。

目の前でこんな一生懸命な姿を見てしまいましたら、
卵を葉っぱの上に見つけても、取り去ることはやめにしようと思ってしまいました。

Deai orchard奈良県(果樹園)

無農薬で20年以上ブルーベリーを作り続けているDeai orchardです。ブルーベリージャムは当時から皆様にご支持をいただいております商品です。お客様のくらしに手間暇を贅沢に使い作ったジャムをぜひお届けできたらと日々励んでおります。減農薬、無農薬のぶどう作りや無農薬の銀杏など、他にも様々な果樹を育てています。

やしろ農園