
地域の中で資源を活かし、命をつなぐように育てられた「循環型の食」があります。 今回ご紹介するのは、そんな“地域でめぐるおいしさ”を届けてくれる5つの取り組み。 人と自然がやさしくつながる、そんな食のあり方に触れてみてください。
地球と生きる 土とともに育つ未来の柑橘づくり

自然とともに生きる農業を目指し、農薬や化学肥料、除草剤に頼らず、土や水、生きものの力を借りながら、ひとつひとつ大切に育てる畑。農業をすることが、環境を守ることにもつながる、そんな新しい価値観を伝えていきたいと考えています。
土を再生する農業
取り組んでいるのは「リジェネラティブ農業」。剪定枝を炭にして土に戻したり、草を全部は刈らず、虫や微生物がすむ場所を残したり。炭素を土に固定し、生物多様性を守りながら、畑の中でめぐる循環をつくり、土を再生する農業を未来につないでいます。

大切な人への贈り物にも
この畑で育った柑橘は、どれも自然のめぐりをまとった味わい。清見タンゴールは、すっきりとした甘さと爽やかな香り。サンフルーツは、甘夏に似たやさしい甘みと、ほんのりとした苦みが特長です。自然にも人にもやさしい味を、大切な方への贈りものにもどうぞ。
この畑で育った柑橘は、どれも自然のめぐりをまとった味わい。清見タンゴールは、すっきりとした甘さと爽やかな香り。サンフルーツは、甘夏に似たやさしい甘みと、ほんのりとした苦みが特長です。自然にも人にもやさしい味を、大切な方への贈りものにもどうぞ。
天日干しでじっくり自然乾燥 太陽と人の手が育てる杜仲茶

長野県伊那谷は、日本で最初に杜仲茶の栽培が始まった“杜仲茶のふるさと”。耕作放棄地だった畑を受け継ぎ、苗木を植え、地域の風景と伝統を取り戻すよう取り組んでいます。手間をかけて育てた杜仲葉に、自然の恵みと、先人からの知恵と技術が今も息づく。
伝統を未来につなぐ
畑で出る有機廃棄物は、もみ殻や米ぬかと合わせて発酵させコンポストへ。ウッドチップのマルチや、再生可能な包装資材の使用など、細部まで自然と循環を意識。お茶づくりそのものが環境を守る営みになるよう、持続可能な方法を追い求めています。

いちばん力が宿るときに手摘み
夏、葉に栄養が満ちる時期に、枝を一本ずつ剪定しながら、手作業で葉を摘み取ります。すぐに天日干しで乾燥させることで、葉に宿った力をそのまま閉じ込めた味わいに。すっきりと澄んだ後味と、体にやさしい余韻を楽しめる、手仕事の杜仲茶です。
津軽の暮らしの中から育つ 命めぐる卵

地域おこし協力隊として津軽に移住し、ゼロから始まった畜産。「りんごの搾りかすを、もう一度命に変える」。畑から受け取った恵みを鶏のエサに。鶏糞は堆肥としてまた畑に返す。命がつながり、土に還る小さな循環が、この地でゆっくりと根づいています。
地元がつなぐ飼料
ジュースの搾りかすをベースに、おからや野菜くずなど、6つの地元企業から譲り受けた副産物を嫌気発酵させた自家配合飼料を使用。畜舎の敷材にも農産加工の残さを活かし、ゴミの削減やCO₂の排出抑制にもつなげています。

毎日食べたい味
鶏たちが健やかに育つことで、卵には雑味がなく、まろやかなコクが広がります。卵かけご飯では、旨みと透明感がより際立ち、毎日食べたくなるやさしい味に。地域と自然のめぐりを感じながら、安心して楽しめる卵です。
まちぐるみの循環 藤沢でめぐるオリーブ豚

食の安心とおいしさを届けることを大切に。地元藤沢で育てられた銘柄豚「湘南ポークオリーブプレミアム」を100%使用し、地域で完結する“食の循環”を目指します。余計なものを加えず「本当に美味しいとは何か」を問い続けながら、日々の食卓に向き合っています。
まちの中で、ぐるりとめぐる
オリーブオイルを絞ったあとの果肉を飼料に育てられた“オリーブ豚”。そのオリーブオイル会社も、豚の飼育農場も、加工する青空ミートハウスも、すべて藤沢市内。まちの中でつながる、理想的な地産地消の循環です。

素材の旨みを丁寧に
オリーブ豚は、きめ細かい肉質と甘みのある脂が特長。そのおいしさを伝えるため、使うのは豚肉・塩・スパイスだけ。化学調味料を使わない無添加ソーセージとベーコンは、ドイツの品評会で金賞を受賞。安心して楽しめる逸品です。
海の恵みをむだなくいただく 持続可能な漁業の取り組み

四万十市は天然魚に恵まれた豊かな漁場。しかし近年、漁業者の減少や地域経済の衰退など、持続の危機にも直面。そんな中「獲る・加工する・届ける」をすべて地元で完結させる新たな仕組みづくりに挑戦。鮮度の高い魚を、無駄なく、美味しく届けることで、地域の海と暮らしの未来をつなごうとしています。
価値ある一品に
市場には出回らない未利用魚などの魚を、職人の手で丁寧に加工。その日の魚に合わせて仕込みを工夫し、美味しさを閉じ込める。大量販売には不向きでも、「命をむだにしない食文化」を未来につなげる大切な取り組みです。

うまみを引き出す
職人の技が光るのは“保存”の工夫。昆布締めは、魚の余分な水分を吸い、旨味を凝縮させる伝統技法。新鮮さだけではない、美味しさが味わえます。丁寧につくられるため数量限定。海のめぐみをじっくりご堪能ください。