生産者のお便りとお知らせ

「もう一度食べたい」その声に背中を押されて

父の日に贈る、大人のチョコレートクグロフができるまで。

今年の2月、初めてお披露目したブランデー香るチョコレートクグロフ。 バレンタイン限定としてpopup形式で販売したところ、おかげさまで想像以上の反響をいただきました。数日間、お店に立つことができる貴重な機会だったんですが、また来てくださるお客様からFBをいただける、本当に貴重な時間でした。

「大人っぽい味で贈りものにちょうどいい」 「しっかり満足感がある」 「こんなチョコレートケーキ、はじめて食べた。甘すぎず、でもコクがあって」

バレンタインの催事だったんですが、パートナーにお送りする方も多い中、女性のお客様がご自分の為に購入してくださる事も多かった印象でした。

下記画像はジブリ風にしてみました。 ジブリファンの私共としては、本当にアニメに出てきそうで、ちょっと嬉しい画像です。

試行錯誤の日々

まず見直したのは、レーズンとブランデーの漬け込み時間。 冬の寒い時期と、今の湿気を含んだ初夏では、食材の状態も微妙に違います。 時間を調整しながら、ふっくらとやわらかく、香り高いレーズンに仕上げました。

次に取り組んだのは、チョコレートの配合比。 うちの工房でBean to Bar製法で作るガーナ産カカオのチョコレート。 このチョコの力強さを活かしながらも、後味が重たくならないよう、粗糖とのバランスを慎重に調整。

粗糖は鹿児島産の未精製。 ミネラルを含み、チョコとの相性が抜群のこのお砂糖は、やさしい甘さとコクをもたらしてくれます。

そして、ちょっとした遊び心で加えている金柑。 これは宮崎らしい、ほんのりとした酸味と香りがアクセントになる、私のお気に入りの素材です。

重たくないのに、満たされる

このケーキが完成した日。 常温に戻して、一切れ味見をしました。

ふわっと広がるチョコレートの香り。 そこに、レーズンの甘さとブランデーのやさしい余韻。 金柑のほんのりした酸味と、粗糖のコクが、じんわりと後を引く。

食べ終わったあと、ふと気づいたのです。

「甘さは控えめなのに、ちゃんと満たされるなあ」

これこそが、私が作りたかった“お父さんのためのチョコレートケーキ”でした。

素材はどれも、からだにやさしいものばかり。 白砂糖も添加物も使っていません。

でも、ストイックすぎる味ではなく、 「おいしいね」って笑顔になれる、そんなやわらかさを目指して作っています。

今年の父の日。 宮崎の空が雨に煙る日でも、 このクグロフが誰かのティータイムを、晩酌タイムを、ちょっと明るくしてくれたら嬉しいなと思います。

「ありがとう」の気持ちと一緒に、 “美味しい”が届きますように。

tiny kitchen MIYAZAKI宮崎県(菓子製造・販売)

製菓衛生師で調理師でもあるショコラティエの店主KAZUと申します。
日本では10年ほどシェフとして料理に携わり、後、6年間オーストラリアのレストランやホテルなどでシェフやパティシエとして働いていました。
2020年に宮崎県へ移住。
そこで、今までの経験を生かして、自然豊かな宮崎県の食材を使い、人が元気になるような健康志向のチョコレートをカカオ豆から作りたい、と思い、名前のとおり、小さな工房をセルフビルドで作り”カカオ+宮崎フレーバー”をコンセプトに日々研究しております。

余計なものは一切使用せず、自然の恵みを加工し、皆様に喜んでいただけるよう日々精進して参ります。