このケーキが完成した日。
常温に戻して、一切れ味見をしました。
ふわっと広がるチョコレートの香り。
そこに、レーズンの甘さとブランデーのやさしい余韻。
金柑のほんのりした酸味と、粗糖のコクが、じんわりと後を引く。
食べ終わったあと、ふと気づいたのです。
「甘さは控えめなのに、ちゃんと満たされるなあ」
これこそが、私が作りたかった“お父さんのためのチョコレートケーキ”でした。
素材はどれも、からだにやさしいものばかり。
白砂糖も添加物も使っていません。
でも、ストイックすぎる味ではなく、
「おいしいね」って笑顔になれる、そんなやわらかさを目指して作っています。
今年の父の日。
宮崎の空が雨に煙る日でも、
このクグロフが誰かのティータイムを、晩酌タイムを、ちょっと明るくしてくれたら嬉しいなと思います。
「ありがとう」の気持ちと一緒に、
“美味しい”が届きますように。