伊那谷は冷たい雨が降り続いていて、畑に入れないこの数日です。 畑に入れないこういう時は「晴耕雨読」と自分に言い聞かせて、仕事を先送りするしかありませんね。 ぜいたくな悩みなのかもしれません。
このところセット野菜に入れている松本一本葱。 大変好評をいただいている甘くておいしい長野県の伝統野菜です。 種を蒔いたのは昨年の9月。 1年以上かけてゆっくりじっくり大地のエネルギーで生育してきたネギです。 本当に美味しいです。
その松本一本葱の中で、試験的に1畝だけ「曲げ」栽培をしています。 寒い寒い冬を越した苗を春の植え付け、 1~2か月に一度土を寄せて軟白部分を大きくするわけですが、 その中から一部を8月に掘り起こし、 寝かせた状態で植えなおします。
寝かせて植えたネギは、 上に向かって成長しようとして曲がっていきます。 曲がるストレスにより甘みを増す、 と言われているのを本などの情報から知ってはいました。
とはいえ、半信半疑でもありました。 論より証拠ということで、試験的に短い一畝分だけ曲げてみました。
それを先日試し掘りし、まっすぐなネギと同じフライパンで、 オリーブオイルと塩だけでシンプルに焼いて食べ比べてみました。
驚きました。 甘さが違うんです。
まっすぐな方だって、 自信をもって美味しいと言えるものですし、 甘みも十分にあります。 それでも、交互に食べてみると、 明らかに曲げネギの方が甘みが強い。 なんとなくではなく、はっきりと違いがわかるくらい。 同じ圃場で育っているネギなので、 やはり「曲げ」が作用しているのでしょうね。
この曲がり松本一本葱は11月から販売予定です。 数量が少ないので、セット野菜ではMにのみ入れさせていただきます。