カカオと出会う前、私たちはまったく「農業」とは無縁の仕事をしていました。
以前の仕事はITに携わる事業で、ベトナムにも拠点があったため、仕事の一環としてベトナムを訪れていました。
米食文化で食事にも馴染みやすく、どことなく懐かしいような日本の原風景を思わせるベトナムの郊外の景色は、すぐ私たちの心を捕らえ、日本での忙しさを忘れさせる癒しを与えてくれました。
その上、ベトナムで出会う人々は勤勉でまじめな人が多く、温かく、くったくのない笑顔も印象的で、ベトナムという国や人に惹かれていくのはとても自然なことでした。
そんな中、当時現地でお世話になっていたベトナム人の女性、Ms.Thu(ツー)と彼女の出身地であるバリア=ブンタウ省を移動中にオーガニックカカオの畑に出会いました。
私たちも普段からよくチョコレートは食べていたし、ココアも良く飲む方でしたが、ここで飲ませてもらったココアは、今まで飲んできたものと比べ物にならないほどおいしいものでした。
それまでカカオの違いやチョコレートの製造過程などあまり詳しい者はいなかったのですが、こんなにおいしいココアはさぞかし人気で、カカオも飛ぶように売れているのだろうと思いました。しかし実際はそうではありませんでした。