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生産者のお便りとお知らせ

カカオポッドがつなぐ、命の循環。ヤギと土の物語

“え~っ”が“美味しい!”に変わる瞬間。チャウドゥクの山羊は、カカオの恵みを食べて育つ。

シンチャオ♪

OCAの農園がある旧バリア=ブンタウ省チャウドゥク県は、カカオの産地であると同時に、山羊料理の名所としても知られています。 沖縄でも山羊料理は有名ですが、実は苦手な方も多いですよね。ところが、この地の山羊は違います。 柔らかく、臭みもなく、驚くほど食べやすいのです。

OCAに日本から来られる方々、沖縄出身のスタッフ、大阪の女子大生インターン、日本各地から訪れるお客様、皆さん最初は「山羊肉⁉え〜ちょっと・・・」と表情が曇ります。 けれど、実際にチャウドゥクの山羊料理を口にすると、「美味しい!」「まったくクセがない!」と目を丸くし、ほとんどの方が完食してしまいます。

僕は確証があるわけではありませんが、心の中ではこう思っています。 「チャウドゥクの山羊は、カカオポッドの殻をモリモリ食べているからだ」と。

OCAの農園では、収穫後のカカオポッド(外殻)を乾燥・粉砕し、山羊たちの飼料として活用しています。 カカオポッドにはカカオポリフェノールや良質なたんぱく質が含まれており、これが山羊の健康と肉質の良さにつながっていると感じています。 まさにカカオが育てた山羊。 そしてその山羊の糞は、再びOCA農園の土を豊かにする肥料となって還っていくのです。

手作り機械から生まれる、OCA流の有機循環

OCAの工房には、手作り感あふれる機械があります。 それはカカオポッドをスライス状にするための装置。ステンレスの板やモーターを組み合わせ、地元の職人と一緒に作ったものです。 この機械でスライスされたカカオポッドは、乾燥後に細かく砕かれ、有機堆肥や飼料の材料として使われます。

農園では、豆の皮であるカカオハスクや米ぬか、さらに魚介の残渣を加えて発酵させた「カカオ堆肥」も使用していますが、OCAではそれに加え、カカオポッド+ヤギ糞の組み合わせが主流です。 この堆肥が土壌に豊富な栄養を与え、微生物の活動を活発にし、健康なカカオの木を育ててくれます。 こうして、カカオ → 山羊 → 土 → カカオという自然の循環が完成するのです。

OCAの農園では、「捨てない」ことが当たり前。 どんな小さな素材にも意味があり、それを見つけ、活かし、命の輪をつなぐ。 カカオポッドから始まるこの循環は、OCAが目指す“サステナブル・チョコレート”の原点です。 山羊たちの穏やかなまなざしの先には、豊かな土と、未来のカカオの実が実っています。

OCA Cacao & Chocolate沖縄県(農業・製造・販売)

ベトナム南東部のバリア=ブンタウ省にて、オーガニックカカオの栽培からチョコレートの製造までを一貫しておこなうFarm to Barのチョコレートメーカーです。定番の高カカオチョコレートのほか、カカオニブやカカオハスクティーなど、多彩なカカオ製品を取り扱っています。
「Natural makes You Happy-自然はあなたを幸せにする-」のスローガンのもと、なるべく自然に、手間を惜しまず、人にも地球にもやさしい、商品をお届けしています。

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