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生産者のお便りとお知らせ

有機カカオポッドの殻から生まれる“未来の土”

OCAが始めたバイオ炭への挑戦

シンチャオ♪

OCA Cacao & Chocolate の農園では、ベトナム南部の豊かな自然の中で、オーガニックカカオの栽培からチョコレートづくりまでを一貫して行っています。 その過程で毎年大量に発生するのが、カカオの実を覆う厚い殻「カカオポッド」。これまでは堆肥として一部を再利用していましたが、今年からOCAでは新たな一歩として、このポッドを使った「バイオ炭」づくりを始めました。

バイオ炭とは、有機物を高温・低酸素状態で炭化させてつくる、持続可能な“炭”(バイオチャー)のことです。見た目は黒い炭ですが、役割はそれ以上。土壌に混ぜ込むことで、微生物の住処となり、保水性・通気性を高め、長期間にわたって炭素を土の中に固定します。つまり、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を「土の中に閉じ込める」自然由来のカーボンキャプチャなのです。

この取り組みを支えるため、OCAの地元・ブンタウの加工会社に依頼し、直径1メートルのステンレス製無煙炭化器を特注で製造しました(写真参照)。シンプルな構造ながら、煙や匂いをほとんど出さず、燃焼効率の高いデザインです。来週、この装置を使って、乾燥させたカカオポッドを炭化し、初めてのバイオ炭づくりを実施します。

バイオ炭は今、世界的にも注目されています。土壌改良だけでなく、炭素を固定することで「カーボンクレジット」として価値を持つようになってきています。つまり、環境への貢献がそのまま経済的な価値にもつながる時代。OCAのように農業副産物を活かしたバイオ炭づくりは、途上国の地域経済と環境保全を両立させる取り組みとして期待されています。

OCAの理念は、「自然を搾取しない、共に生きる循環」です。 カカオを育て、収穫し、実を味わい、残った殻で新しい命の循環を生み出す。 農園から出る“副産物”が、再び土を育て、次のカカオの実を実らせる。 それはまさに、ゼロ・ウェイストの実践であり、OCAが目指す“サステナブル・チョコレート”の原点です。

カカオの香りが漂う小さな工房から、地球の未来を見据えた挑戦が始まりました。 この小さな炭化器から生まれる黒い炭は、OCAにとってただの素材ではなく、「未来の土」への贈りものなのです。

OCA Cacao & Chocolate沖縄県(農業・製造・販売)

ベトナム南東部のバリア=ブンタウ省にて、オーガニックカカオの栽培からチョコレートの製造までを一貫しておこなうFarm to Barのチョコレートメーカーです。定番の高カカオチョコレートのほか、カカオニブやカカオハスクティーなど、多彩なカカオ製品を取り扱っています。
「Natural makes You Happy-自然はあなたを幸せにする-」のスローガンのもと、なるべく自然に、手間を惜しまず、人にも地球にもやさしい、商品をお届けしています。

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