こんにちは。ホホヱミ農園の長男です。 今回は鶏の産卵について書いてみたいと思います。
鶏は毎日のように卵を産みます。「それって普通でしょ?」、あるいは「1日1個しか産まないの?」と思う人もいるかもしれません。
鶏の原種となる「セキショクヤケイ」(南アジア、東南アジアに生息)は、一年に一度決まった時期に10個ほどしか卵を産みません。 9000年前ごろに家畜化が始まり、長い時間をかけて多産の種が選ばれてきました。ちなみに、鶏の家畜化は当初は「闘鶏」や「時計」を目的の一部としていたようです。
卵はどのような仕組みで生まれるのでしょう。まず卵巣から卵胞(卵の黄身)が排卵されます。 それから、卵白が付き、膜や殻ができて放卵されるまで一番早い品種でも24時間以上かかります。 そして、次の排卵まで数時間休みます。そのため毎日放卵する時間が遅れていき、夕方に産むようになります。すると、一度休産して体をリセットしてから、また産み始めます。よって夏至を過ぎて日が短くなると、卵の産む数も減っていきます。
産卵数の減少を防ぐために、日照を管理するという方法があります。窓をなくして自然光を遮断し、照明をつけ、温度を管理します。 昼も夜もなくなり卵の数が安定します。 けれども鶏たちは、生まれてから一度も太陽の光を浴びず、照明がついているので休む暇もなくなり、四季の変化も分かりません。
放し飼いにすることは、鶏の自然な生体リズムと十分な休み、ストレスのない住環境を守るということです。 安定した産卵数は得られませんが、この自然の変化を前提とした経営を目指しています。
自然の中で虫や草を食べ、日光浴をしたりして季節を楽しみ、夜は止まり木に泊まり眠ります。 卵にはその鶏のすべてが詰まっていると、僕は思います。