夜中にふと目が覚めたり、眠ったはずなのに朝起きると体が重い。 最近、眠りが浅くなってきたように感じていませんか。 同じ時間眠っても、呼吸が深くて体が軽い朝があります。眠りの質には、腸の状態が関わっています。
この記事では、腸と睡眠のつながりをやさしく解説し、夜に腸を整えるための小さな習慣として、発酵食品の取り入れ方をご紹介します。
ただし、発酵食品でも選び方や食べ方によっては、かえって負担になることも。 夜のととのえ方を意識することで、翌朝の心地よさが変わります。
ぜひ記事を最後まで読んで、深く眠れる体づくりのヒントを見つけてください。
- 夜中に目が覚めたり、寝つきが悪くなってきた(年齢による変化を感じている)
- 眠っているのに、朝すっきり起きられない
- 腸の不調や便秘が気分や睡眠に影響していると感じる
- これからの体のために、食べ方を見直したいと思っている

腸が乱れると、なぜ眠れなくなるのか
眠れなくなる背景には、腸の状態が夜の体のリズムに影響していることが考えられます。
- 腸が冷えて働きが低下している
- 腸が張って緊張している(食べ過ぎ・消化不良)
- 腸内の発酵・腐敗バランスが乱れ、ガスや不快感が出ている
腸が冷えて働きが低下している
腸は食べたものを消化するだけでなく、体を内側から温める役割も担っています。 腸が冷えて動きが鈍ると消化が進まず、体が休息モードに入りにくくなり、眠りへの準備がととのいづらくなります。
たとえば、夜に冷たい飲み物や生の食材をとると、腸の温度が下がり血流がとどこおります。その結果、内臓の働きが遅くなり、体は緊張したまま。
布団に入っても呼吸が浅く、自然な眠気が起こりにくくなります。 腸が温かくゆるんでいる夜は、心もほどけて眠りに入りやすいもの。 夜は体を冷やす食べ方を避け、腸が休める状態をつくることが、深い眠りへの第一歩です。
腸が張って緊張している(食べ過ぎ・消化不良)
夜にお腹が張っていると、腸はまだ働いている状態です。体は「休む時間」ではなく「まだ動く時間」と感じてしまい、リラックスしづらくなります。 たとえば、夕食をしっかり食べたあとにこのようなことはありませんか?
- お腹が苦しい
- お腹が張っている
- 呼吸が浅く感じる
そのまま横になると、眠りに入りにくくなります。 夜は消化のペースがゆっくりになるため、日中と同じ量でも負担になりやすいのです。 夕食は腹七〜八分目にして、温かい汁物や、やさしい味のものを選ぶと、体がふっとゆるみます。
「お腹が軽い夜は寝つきも柔らかい」
そんな感覚を、ぜひ感じてみてください。
腸内の発酵・腐敗バランスが乱れ、ガスや不快感が出ている
腸の中でバランスが崩れてガスや不快感があると、体は緊張しやすくなり、ゆっくり眠る準備がととのいにくくなります。腸は落ち着いているときほど、心や体もやさしく休息モードへ向かいやすくなります。
たとえば、夜にお腹が張ったりゴロゴロしたりすると、布団に入っても落ち着かず、寝返りが増え、眠りが浅く感じられる夜もあります。
甘いもの、油の多い食事、夜の冷たい飲みものが続いた日ほど、ガスや重さを感じやすくなる人もいるでしょう。 夜は、腸にやさしい温かいものや、シンプルな味つけで、お腹を静かで心地よくさせてあげれば、自然と深い眠りが訪れます。
眠りの質は「腸の状態」で決まる

腸がゆるみ、あたたかく、落ち着いている夜は、心と体が自然と休息モードへ向かいやすくなります。 一方で、腸が冷えたり張ったりしていると、呼吸が浅くなり、眠りに入るスイッチが入りにくくなります。 ここでは、次の3つの視点から、腸と眠りの関係を見ていきます。
- 腸がととのうと、休む準備のサインが出やすくなる
- 腸があたたまると、呼吸が深くなる
- 心が落ち着くと、腸もゆるむ
腸が整うと、休む準備のサインが出やすくなる
腸が落ち着いているとき、体は「そろそろ休もう」と自然に思えてきます。 夜にお腹があたたかく、軽く、ゆるんでいると、心もゆっくりほどけていくのが感じられます。
たとえば、夕食が軽めで、寝る前にお腹がじんわり温かい夜。布団に入ると、すっと息が落ち着いて、まぶたが自然とおりてくるような感覚です。体の力が抜けて、「今日も終わったな」と穏やかな気持ちで横になれます。
反対に、食べ過ぎてお腹が張っていたり、冷えを感じたりする夜は、呼吸が浅くなりがち。横になっても体が落ち着かず、なかなか眠りに入りにくいものです。
夜は、腸がほっとできる状態をつくることが大切。 お腹がふわっとやわらぎ、静かに動いている感覚があると、そのまま深く休める夜が増えていきます。
腸があたたまると、呼吸が深くなる
お腹がふっとゆるんで温かさを感じられると、呼吸は自然と深くなります。 気持ちが落ち着いて、リラックスしているとお腹はやさしく動き始め、ぐるぐると音がすることもあります。
お腹のケアをしていると、お腹がやわらいだ瞬間に、大きく呼吸が入る方がよくいらっしゃいます。その呼吸は、まるで体が安心した合図のよう。反対に、お腹が冷えていたり張っていたりすると、呼吸が浅くなりやすいです。
腸と自律神経は密接に関係しており、腸が緊張すると体もリラックスしにくくなることが知られています。
(参考:秋葉原内視鏡クリニック公式ブログ「腸と睡眠の関係」)
そんなときは、体はまだゆるみきれていない状態です。
心が落ち着くと、腸もゆるむ
心が落ち着くと、お腹も自然とゆるみます。 このとき、自律神経のバランスが整い、体がリラックスモードに切り替わります。 お腹が静かで温かい夜は、深い眠りへのサインです。 自律神経は、日中の緊張と夜の休息を切り替えるスイッチのようなもの。 心が緊張していると、交感神経が優位になり、体も同じようにこわばります。 反対に、安心しているときは副交感神経が働き、お腹がやわらかく、呼吸も深くなるのです。 この心と体のつながりを意識することで、眠りの質が自然とととのっていきます。
| 夜の行動 | 腸の様子 | 心と体の変化 | 睡眠へのつながり |
|---|---|---|---|
| 温かい飲み物を飲んでほっとしたとき | お腹の奥がじんわり温かい | 全身の力が抜け、安心感が広がる 自律神経が休息モードに切り替わる |
自律神経が休息モードに切り替わる |
| スマホを見ながらベッドに入ったとき | お腹が張っている・重たい | 呼吸が浅く、胸がつまるように感じる 眠りが浅く、途中で目が覚めやすい |
眠りが浅く、途中で目が覚めやすい |
| リラックスして過ごせた夜 | お腹がやわらかく動いている | 気持ちが落ち着き、呼吸がゆっくりになる | 深くて穏やかな眠りにつながる |
心の緊張がやわらぐと、お腹も自然にゆるみ、体が休息のリズムを取り戻します。 眠る前にほっとできる時間をもつことで、自律神経がととのいやすくなり、深い眠りにつながります。
よく眠るためにできる、夜の過ごし方

寝る前の何気ない時間を、少しだけ意識して過ごすだけで、眠りの質はゆるやかに変わります。一日の終わりに、自分のための小さな時間をもってみてください。
お腹が静かに落ち着く食べ方を意識する
食べ過ぎや冷たい食事は腸を働かせすぎてしまい、眠りを浅くする原因になります。 腸が動き続けていると、体は「まだ休む時間ではない」と判断してしまうのです。 夕食は腹八分目を目安に、温かい汁物や消化のやさしい料理を選びましょう。 お腹が軽く温かいまま布団に入ると、呼吸が深まり、眠りもやわらかくなります。 ちょっとした意識のちがいで、翌朝の目覚めをぐっと変えてくれます。
心がやすらぐ時間をもつ
日中の緊張やストレスが残ったままだと、自律神経が興奮状態になり、眠りが浅くなります。 心が穏やかでいることは、体に「もう休んでいいよ」というサインを送ることでもあるのです。 一日の終わりに、好きな香りを感じたり、温かいお茶をゆっくり味わう時間をつくってみましょう。 家族やパートナーとの穏やかな会話も、安心感を与えてくれる大切な習慣です。 スマートフォンやテレビの光は刺激になりやすいため、寝る30分前には手を離すようにするのもおすすめです。 心がほっと落ち着く夜は、体の力も自然と抜けていきます。 安心して眠りに入れる時間を、自分のために少しだけ用意してあげましょう。
照明と香りで静けさをつくる
明るい光や刺激の強い香りは、自律神経を緊張させてしまいます。 反対に、あたたかみのある灯りややさしい香りは、副交感神経がゆるやかに働き、安心感を生み出します。 照明は、天井のライトを消して、間接照明やキャンドルなどの柔らかい光にしてみましょう。 香りは、ラベンダーやゼラニウムなど、穏やかに香るものがおすすめです。 香りを楽しむときは、焚きすぎず「ふっと届くくらい」がちょうどいいバランスです。 部屋の明かりと香りが整うと、空気が静まり、自然と呼吸もゆるやかになります。 心が落ち着く夜の空間をつくることが、深い眠りへの第一歩です。
夜に取り入れたい発酵食品と食べ方

夜におすすめの発酵食品は、体を温めながら腸をやさしくサポートしてくれるものです。 発酵食品は腸をやさしくととのえくれますが、食べすぎや、刺激の強いものを選ぶと、かえって腸が疲れてしまうこともあります。 体調や時間帯に合わせて、やさしく取り入れることが大切です。
| 食材 | 腸への働き | 夜におすすめの取り入れ方 |
|---|---|---|
| 味噌汁 | 発酵の酵素が腸をやさしくサポートし、体を温める | 具材は軽めにして、夜は塩分控えめに。 温かさで呼吸も深まる |
| 甘酒(ノンアル) | 消化を助けて腸をやすませ、体を内側から温める | 寝る1時間前に人肌程度に温める 甘さが心をほっと包む |
| 発酵スープ | 塩麹や酒粕が消化を助け、胃腸の緊張をゆるめる | 軽い夕食や夜食の代わりに 冷えた体を中から温める |
味噌汁|温かさと発酵の力で腸をゆるめる夜の定番
発酵によって生まれる味噌の酵素は、腸の動きを穏やかにサポートし、体を内側から温めてくれます。 特に夜は、消化の働きがゆるやかになる時間帯。 温かい汁物は胃腸の負担を減らしながら、安心感を与えてくれます 夜の味噌汁は、消化にやさしい具材を選ぶのがポイント。 豆腐やわかめ、季節のやさしい野菜などを合わせると、軽くても満足できる一杯になります。 昆布やかつお節でとったやさしい出汁に、自然な塩味のある味噌を合わせると、深みのある味わいに仕上がります。 お腹が温まることで呼吸も深まり、心もふっとゆるみます。 一日の終わりに、自分をやさしく包み込むような一杯を。
甘酒(ノンアル)|体を内側から温めて眠りの準備をととのえる
夜の甘酒は、体を内側から温め、眠りに向かうスイッチをやさしく入れてくれます。 発酵の過程で生まれるブドウ糖が脳をリラックスさせ、血糖の乱高下を防ぎながら自然な眠気を促します。
さらに、麹の酵素が消化をサポートし、腸を穏やかに保つ助けになります。 寝る1時間ほど前に、少し温めたノンアルコールの甘酒をカップ半分ほど(100ml前後)飲むのがおすすめ。
湯せんでじんわり温めると、香りもやさしく立ちのぼります。 時間がないときは、電子レンジで短時間だけ温めても大丈夫。 人肌くらいの温かさで、麹のやさしい香りを感じながら味わってみてください。
発酵スープ|消化にやさしく、お腹の緊張をほどく
発酵食材を使ったスープは、消化を助ける酵素や乳酸菌の働きで、腸内環境をととのえるサポートになります。一日の終わりに温かい一杯を飲むと、緊張していた胃腸がふっとゆるみ、深い呼吸が戻ってくるような感覚に。
まえむき。Farm&Shopの「塩麹と酒粕を合わせたビーツの発酵ポタージュ」は、塩麹と酒粕の発酵の力をいかした、やさしい味わいのスープ。 ビーツのやわらかな甘みが広がり、冷えた体をじんわり温めてくれます。 心を落ち着けたい夜に、ゆっくり味わいたい一品です。
発酵スープは、食べすぎた日や疲れを感じる夜の味方。 お腹の奥からじんわり温まる感覚を味わいながら、一日を静かに締めくくりましょう。
よくある質問|腸活と睡眠の質を高める発酵食品のとり方
夜に腸活をすると、睡眠の質は本当に上がりますか?
腸がリラックスすると副交感神経が働きやすくなり、眠りが深まりやすくなります。 発酵食品や温かい味噌汁など、腸をやさしく温める食事がサポートになります。
睡眠前におすすめの発酵食品はありますか?
甘酒や発酵スープなど、体を冷やさず穏やかにととのえるものがおすすめです。 腸がゆるみ、翌朝のすっきり感にもつながります。
腸活を意識しても、睡眠時間が短いと意味がない?
睡眠の「長さ」よりも「質」を意識することが大切です。 腸が落ち着いた状態で眠ることで、限られた時間でも深い休息につながります。
まとめ|夜の発酵習慣で、眠りと腸をやさしくととのえる

一日の終わりに、お腹を温めてととのえる時間をもつことは、心と体を休める準備でもあります。
夜に腸がゆるむと、自律神経が落ち着き、自然と深い眠りへ導かれます。 味噌汁や甘酒、発酵スープなど、体を冷やさず穏やかにととのえる発酵食品を少しずつ取り入れてみましょう。 お腹が軽く、呼吸が深い夜は、翌朝の目覚めもやさしく変わります。
今日の夜から、小さな一歩をはじめてみてください。 お腹と心がふっとゆるむ夜を重ねるうちに、眠りの質も、毎日の体調も、きっと少しずつととのっていきます。


