大杉しいたけ園について

大杉しいたけ園は代々続く椎茸の生産農家です

クヌギの木の植林の面積は54ha! およそ東京ドームの10個に相当する山林を管理しています。 椎茸の栽培の原点は原木栽培です。 常緑樹の日陰にクヌギの木を組んで並べていきます 。 シイタケ栽培に適した大自然の日陰の環境の中で 椎茸を育てて行きます。 もちろん、安心・安全の無農薬で栽培しております。 自然栽培ですから、草取りから、種菌の打ち込み、収穫とかなりの人手必要となりますが、おいしいキノコを栽培するには避けては通れない作業になっています。 当園はクヌギの原木に種菌を打ち込んで、しいたけが発芽するまでに2~3年、それから収穫が始まります。 経験的に朝どりしいたけが一番おいしいので、朝どりして午前中のうちに出荷しています。

木からきのこを育てています

クヌギの木は20年育てないと一人前の木とは言えません 。 ですから山のクヌギの木は20年に一度の割合で木を切っていきます。 だから、広いクヌギの山林が必要になるのですね。 そして原木に毎年種菌を植え込み、古い原木と常に取替え新していかないといけないのです。 重い原木を扱い重労働でありますが、新鮮なキノコ栽培の基本となっています。 植えて最初の収穫までは26年かかりますが、次は良い苗が切り株から生えてくるので14年16年くらいで収穫できるようになります。

一年中新鮮なしいたけが収穫できるのは、最新技術で菌床を作っているから

自然の常緑樹の中で育てるだけではなく、人工的に温度や湿度を管理できる椎茸の管理栽培を行っております。 宮崎県という台風が多い土地柄、遮光や空気のとおりを良くする工夫をし、台風に負けない長持ちする環境の確保をしています。 気候との闘いが椎茸栽培でも大きな比重を占めているのです。

椎茸と言うと収穫の時期が晩秋から春にかけての半年の勝負! 一度に取れる椎茸を乾燥して乾椎茸として出荷するのが椎茸栽培の農家の常識でした。 当園では、美味しい生椎茸を年間出荷できないのかと果敢に挑戦し、まずは大きな栽培室を作りそこに原木を置き、年間を通して温度や湿度を管理しながら椎茸を作る工夫をしました。 ところがなかなか上手く行かず、そこでクヌギの原木をチップ化して菌床栽培する方法へ進化していったのでした。

樫、シイ、クヌギ、ナラなどの広葉樹の原木をチップ加工して、ミキサーにかけ、自家製の菌床を作りました。 菌床を殺菌して、椎茸の種菌をクリーンルームで植え付けます。 その後は温度と湿度が管理された部屋でじっくりと椎茸菌床を培養します。 通常よりは時間をかけて完熟した菌床を作り木の栄養分を最大限に生かした肉厚でおいしい椎茸を作ることができました。

原木の栄養が良いのでしょう。 芽切った椎茸はどれもこれも太ってまんまるしています。 管理もしやすく、今では年間を通して美味しい肉厚の椎茸をお届けできるようになりました。

しかしここまでの足取りは苦労の連続でした。 菌床の工夫、殺菌の難しさ、温度管理、湿度管理の難しさから恐らく失敗ばかり… しかし、美味しい生しいたけを食べて欲しいという一心で、現在ので技術力を高めた栽培が生まれたのです。 技術力の高さは林野庁長官賞受賞が証明して下さいました。 宮崎の味と香り、無農薬の生しいたけの美味しさを是非味わって欲しいと思って5代目の息子と頑張っております。

私がしいたけ園を継ぐことを決めたきっかけと息子への継承

私は、14歳の頃にきのこを作っているなんてすごいね!と先生に言われたことがきっかけできのこ栽培に興味を持ち出しました。 きのこをやりたいと伝えると、両親は田んぼや畑など植えられるところにはどんどん木を植えて今では50haに!

子どもの頃からきのこに興味を持ち、しいたけ園の後継者としてきのこの指導員として全国も見回って来ました。

私の息子は、高校まできのこを継ぐなどは考えていなかったようですが、私の勧めもあって鳥取のきのこの学校に1年行って学んで来ました。 学校で学ぶうちに、私がここまでブランド化してきたきのこをこのまま終わらせるのはもったいないと考えてくれ、自分の代では加工品に挑戦していきたいと言うことで、今は一緒にきのこ栽培に取り組んでいます。 親子でしいたけの栽培指導員資格を持っているような、きのこ愛に燃えた親子が作っているきのこはひと味違いますよ。

これからもおいしくて安全な国産のきのこを食べてもらうために頑張ります!

当園のきのこ栽培の歴史は長いですが、生産者の売り上げとしては小さい方です。

きのこ栽培は重労働ですが、指導員時代の貯金などを投資し中古の機械を買うなど、経営的にも苦労しながら口コミなどのアナログでここまでやってきました。 百貨店などでのしいたけの対面販売でタレも一緒に売れるようにしようと考えてみそたれを作ったり、ギフトやセット販売をしたりと販売にも工夫をし、これからも新たな商品開発をしていきたいと考えています。

私には中国から仕入れた菌床できのこを栽培し国産と表示するきのこが残念でなりません。 私たちのやり方は、経営的は厳しいのですが、本当においしいきのこができます。 そんなおいしいきのこを全国の皆様に食べていただくために、私たちは今日も大好きなきのこのお世話を頑張ります!