お中元

2021/01/12

持続可能型オーガニック

2021年明けましておめでとうございます。今年も自然と共に豊かな実りを願いながら野良仕事を頑張っていきたいと思います。

近年は無農薬栽培も細分かしてきて自然な資材を使い、機械を駆使しながらする有機農法だったり無肥料で緑肥等使いながらする自然栽培。 不耕起栽培の自然農法だったりパーマカルチャーなどなど、また更に何々農法の提唱者による細分化された栽培方法それら全てがオーガニックと言われています。 それではオーガニックとは何かと考えると、今一番大事にされているのは『無農薬』かどうかではないでしょうか。

無農薬というのは確かに大事なことですが、オーガニックという事でOne Love湧水が大事にしている事は『持続可能』かどうかという事です。 無肥料栽培はできるようになるまでは時間はかかりますが、大量の資材を投入する農法とは違い、持ち込まず持ち出さずの環境で土はどんどん良くなり、土作りにかける人間のエネルギーも少なく済むし、不耕起栽培だったら石油エネルギーに頼らずとも向こう100年は実りを得る事ができると思います。 営農の為、田んぼやここ4~5年耕す無肥料栽培を始めて機械を使い始めていますが、機械の重みによる耕盤層の形成の対処など機械を使っていく上での持続可能型を模索していますが、将来トラクターなどの農機具が自然エネルギーで動く日が来るかもしれないという夢を持ちつつ、今年も色々と試してみたいと思います。

持続可能な栽培方法としての無肥料栽培で大事な事はたくさんあるのですが、『種』について思うことがあります。 只今市場にはF1種という生態系の異常状態を起こした変異株を交配した種で、蒔くと均一に生育して、病気や寒さ暑さに強くなったりサイズも均一にそろうので、農家の作業効率や箱詰めの際に規格通りになり運送コストを抑えるなどなど市場のニーズに合う種を慣行栽培はもちろん有機、自然栽培などなどのオーガニック農家さんたちも積極的に使っておられます。 確かに今の現状を考えると、農業の担い手も少なく、都会集中型の現代社会で今の食糧事情を担うには農薬や化学肥料はもちろんF1種が必要になるのも理解できます。

ただ持続可能かどうかという所で考えてみると、F1種を使い続けていく形というのが自分にはイメージができませんでした。F1種を使い続けるのに必要なのはお金です。お金を使い続けながらの持続可能というのはイメージしずらいし、ましてF1種の採種法などを知ってくると環境にもけしてよいものとはいえない事もあります。

One Love湧水での作付けは8~90%の野菜、お米は採種したもので、多くの種は交換会や個人的に譲り受けたものがほとんどで、購入する際は信用のおける種苗屋さんから極力国産の種を選び採種しております。ほとんどの種が2~3年ほどで畑に馴染み無肥料栽培はもちろん自生する野菜もでたり、今年も一粒の種をまかなくとも100本くらいの大根がとれました。 地力がまだのっていない畑で小指ほどの人参しかできなかった年もありましたが、立派な種を実らせ翌年の実りへの希望をくれました。 自家採種を続けると、手間は増えますが自分も自然の一部を感じれて、未来に対しての気持ちも変わりおおきな安心感も感じることもあります。そしてこの大地が育まれるのと同じように何百年、何千年と同じ営みを繰り返すのかなと思ったりします。 これからのオーガニックを考えていく上で安心安全より持続可能かという事をもう少し意識した消費者さんが増えてくれることを願っています。

うちの人参は、8年ほど前に長崎の種とり名人岩崎さんが30年以上採種した人参を、畑から5本抜かしてもらいうちに植え替えてから今に至ります。岩崎さんが種に対する気持ちは高く、人参からもそれをすごく感じました。より良い種を残そうと良い母体を選抜してしばらくすると、自分の気持ちも段々と人参に入ってきている気がしてきて、今は人参という野菜というより存在と付き合っているような気がします。小さなものあれば大きなものもあり、細いのもいれば太いのもいて、それはそれは個性豊かな人参たちです。生育も最初から勢いがあるものもいれば、後半勢いがでるものもいたりで、人参とコミュニケーションをとりながら収穫したりしています。現代の農家さんにはその様な時間はなく、個性は嫌い優等生のみに仕上げる現代農法からすればの、手間も暇もかかるから衰退してしまっている在来種や固定種の状況も分からなくはないです。しかし生命力に満ち溢れ、味も見た目も個性的な唯一無二の素晴らしい野菜達が手間とか効率という理由でF1種に追いやられてしまうのはすごく悲しいことですし、持続可能なオーガニックのニーズが高まれば、きっと日の目に当たってない長い歴史をもつ、ちゃんとした日本の野菜達がもっと世にでるのではないかなと思っています。農家が変わるより消費者さんの意識が市場を変えてくれると信じています。 この素晴らしい風土をもつ日本の農業の未来の為にも、消費者さんからももっと田畑や里山に意識を向けて、頑張ってる農家さんたちと共に、この先ずっと豊かな暮らしをしていけるようなイメージを共有していけたらなと思います。

One Love 湧水鹿児島県(完全不耕起自然農法)

こんにちは、One Love 湧水です。
震災を機に東京より移住し、鹿児島県の霧島山の麓、湧水町にて、農的生活をスタート
虫や草を敵とせず、
全ての命に敬意を、という想いです。
2011年に竹林を開墾するところからはじめ
「完全不耕起 無肥料 自然農法」でどんどん畑が良くなっています。
2018年より、
「耕して、無肥料の自然栽培」の畑も始めました。
それから、お米も育てています。
2017より不耕起の田んぼもはじめました。

種を採ること、在来種、を大切にしています。

霧島の大地は、自然が濃ゆく、火山の恵みで土も良く肥えて、寒暖差もあり、
美味しい作物の採れる 美しい場所です。
自然環境の変化、気候変動も激しい今日、試行錯誤しながら、日々向き合っております。

霧島の大自然パワーの詰まった、自然農法の作物をお届けしていきたいとおもいます。


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