いせひかりとの出会い

農地を借りる事が出来、最初に悩んだ事が無農薬でスタートして大丈夫なのか?という事でした。 生活の事を思うと確実に作る事ができる普通の栽培じゃないと無理なんじゃないか? 悶々と悩んでる夜に、ふと九州の有名な農家さんの事を思い出し、夜中に衝動的に軽トラを走らせました。 お金が無いので、無謀にも下道で九州へ向かい、翌々日の朝日が昇りはじめた頃にやっと目的地と思われるあたりに到着。 凄いオーラの人参畑に辿り着き、もしかしてココかなーと畑を見つめていると、急に上から「どっから来たんや」と人の声。 「えっ⁇あっ…神戸です」 「ふーん。そこの人参抜いてみい」 「えぇっ??」 訳もわからず目の前の人参を引き抜くと、超立派な人参が! そして朝日の加減だったとはおもうのですが、何故か金色にピカピカと光ってました。 ???と完全にパニック状態になっていると 「喰ってみい」と無茶なご指示が。 言われるがまま服で土だけ拭いて、そのままガブリ。 あまりの甘さと美味しさに放心状態。 「どうや?」 「めちゃくちゃ美味いです」 「そうか、ゆっくりしていけ」 目当ての方だったとは、聞くまでもありませんでした。 その後12haという広大な農地を案内してもらい、無農薬でも農業が出来る事を目の当たりに見せていただきました。 素晴らしい人柄にもふれさせていただき、無農薬で頑張ったら親方のようになれるのかも、と身の程知らずな下心もしっかりチャージして迷いは無くなりました。 そこで食べさせていただいたのが、イセヒカリの玄米のおにぎり。 はじめて食べる玄米の、あまりにの美味しさに強烈な衝撃を受けました。 聞いてみるとイセヒカリという伊勢神宮のお米だと。 平成元年に神宮周辺を直撃した大型台風の為、当時の神宮直轄の田んぼは全て倒伏。 しかし、その中に力強くそびえ立つ二本の稲があったそうです。 当時、御神田を管理していた方が、特別な力を感じ、大事にその二本を増やしていきました。 後にDNA鑑定を行うと、全く新しい品種だと判明し、その後はいせひかりとして伊勢神宮の御用達のお米になったそうです。 当時は門外不出に近い状態で、ご縁のある方のみが神宮以外で栽培ができたそうです。 新規就農者にお米の栽培は色んな意味でハードルが高いので、いつかお米栽培ができるようになれば、絶対いせひかりを育てようと決心していました。 お陰さまで10年のキャリアのなか様々なサポートをいただいて、今はお米の栽培をはじめることができています。 そして皆様に、提供できるまでになった事に心から感謝しています。 私にとって本当に思い入れのあるいせひかり。 皆さんに喜んでいただければ、これ以上のよろこびはありません。 どうかよろしくお願いいたします。

