そんな訳で今日の予定は変更になりました。
銀杏の森へ行きますと、銀杏が一面に落ちています。
ダウンしている母の偉大な働きがここでも見て取れます。
いつもよく働く母に少し休養をしなさいと神様仏様が言っているのかもしれません。
そんな訳で、妹と銀杏を拾い始めたところ・・・。
何か気配を感じたので木に目をやると
「マムシ!」です。
シュルシュルと木を登っているへびがいました。
模様を見て可愛い方のへびではないとすぐにわかりました。
この戦いは一撃で!それが鉄則です。
しかし、手元には武器になるようなものはありません。
しかも木の上で、高い位置です。
竹ぼうきで蛇をはらって落としてやっつけようと考えました。
「えーー!やめてーーーー!マムシにあったら、逃げるのが一番ってネットに書いてあったって!」
私の計画に、大いに怯える妹。
くじけそうになります。
奮い立たせて、箒でマムシを落とそうとしますが、敵も抵抗します。
なんとか落とせたと思ったら、
あっという間に姿を見失いました。
それでホッとしてしまった私。
やはり、マムシとの戦はまだまだ手に負えそうにありませんでした。
銀杏を拾うのはなかなか腰に負担がかかります。
先日、母が腰痛で1cm動くのも唸る結構重症なギックリ腰大騒動が起こりました。
動けなくなり、寝室での寝起きが難しく居間で休むことになりました。
祖母は「首元寒くない?」「枕もう少し高くしたほうがいい?」「これ食べる?」「飲み物ここにおいてるよ。」
お布団を次から次に運んできては母の上にかけてやります。
私がもう大丈夫。あったかくなったよと声をかけますが、すぐに忘れてしまうので
再び押入れに布団を取りに行き、戻ってきます。
母は、声を出すのも痛い為、なされるがまま。
積み上がるお布団にどんどん埋もれて行きます。
(おばあちゃん、何枚お布団かけるんだろう笑)
しばらくおばあちゃんの母の優しさいっぱいの看護を眺めていました。
おばあちゃんの肩に手をやると薄っすら汗ばんでいるのがわかりました。
「おばあちゃんありがとう。」
おばあちゃんの意識を別の事に向けるように声をかける事にしました。
祖母の愛情に埋もれた母の布団をどかせてやりました。
母がダウンしてしまうと、家のあらゆる流れがたちまち止まってしまいました。
父も明らかに元気がありません。
この光景に、
色々考えてしまいました。
一面に咲く私の好きな猫じゃらし
子供の頃によく遊んだ猫じゃらしの中で、シュッとしていて大人な猫じゃらしです。
チカラシバ
名前はこうですが、秋の肌寒さが伝わるシャラシャラ〜っとした植物です。
秋の草花は春のとは違いどれも幼さが無いように思います。
秋は、どうしてこんなにこんなに気持ちがいいのか.
油断した格好でも、特に何の不便も感じずボーっと朝の支度を始められます。
ところが
ある朝台所の水に「あったかい」と感じる日が訪れます。
給湯器を消し忘れているのかと確認するほど暖かい水に驚きます。
新婚の頃はね・・・(笑)。
今では
「おっ。 もうすぐ冬か。」
と、暖かい水道水にあっさりと季節の変わる兆しを確認しつつお米を洗います。
一々驚いたりしなくなった 主婦の貫禄に自分でちょっと可笑しく思えます。
まだひよっこなのが、果樹園の仕事です。
というより、「え!」であったり、「へ〜。」であったり、「はーっ!」であったり。
子供の頃、山で何して遊んでたんだ私!?
反省するほど、多くの「自然」の姿に小さな感動の連続です。
蓮の花に気を取られていた池の夏が過ぎました。
池の蓮は、種をつけ花の頃からは想像し難い見た目に様変わりしています。
池の蓮から上へと目を移すと
かわいい真っ赤な実が鈴なりについています。
夏は白い小さな花だったのが、こんなに可愛らしい赤い実を付けています。
「まだね。」
「うん。まだなのね。」
食べ頃ではまだないのです。
私ではなく鳥たちにとって。
この赤い可愛い実は、ある日突然減り始めあっという間に一粒残らず無くなってしまいます。
最高の「食べ頃」看板が出るわけでもないのに
野菜も果実も、「その日」を完璧におさえて動物たちはこれらを満喫していきます。
味見しているわけでもないように思います。
一体どうやって食べ頃を見極めてるのだろうかと人間としてはぜひ聞かせて欲しいところです。
秋、秋、秋。
ブルーベリー畑に行く道に「秋」がたくさん見られる季節になりました。
「うわぁっ」
先を歩く妹のややボリュームのある声。
何かと駆け寄って見ますと、ちょうど柿の実がポトリと落ちたようです。
綺麗です。
十二分に熟れて、土の上ではでた柿。
利家とまつ。
父と松。
20歳の頃庭に植えた松は、二階の屋根ほどまで成長させて枝は5mほど。
50年以上父は世話をしてきました。
松の剪定は痛いです。
剪定というより、松葉を枝から間引いて行きます。
松葉は尖っていますので、長袖を着ていてもうまく繊維の隙間をくぐった葉先が
肌を指します。
しかも、随分大きいので梯子の上で作業します。
父に豆鉄砲を食らわしたわけですが、
父は改めて「マムシ を鳴かすと仲間が寄って来る」と話してくれました。
仲間?え?
この会話に乗ってきたのは母です。
「昔、お父さん(私の祖父)が草刈りをしていたらマムシに遭遇したのよ。お父さんやっつけようとした時に
マムシが鳴いたらしいの。お父さん内心「まずいな」と思ったらしいんだけど、そのマムシはやっつけたし
草刈りを再開したらしいの。すると、まさかのまたマムシがすぐに現れて、またやっつけたんだけど、
結局5匹もマムシに出会ってしまって、流石に不気味になって帰ったんだって。
1匹目を仕留める時に、鳴かしてしまったから仲間をよんだんだろうけど、1匹で会うのでも、そう頻繁には
出会うことがないだけに、5匹も立て続けにマムシにあったのは、あの強いお父さんでも怖かったって言ってたわ。」
「そろそろマムシに気をつけないとダメだぞ」
父がそう言って昨日マムシに遭遇したことを話し始めました。
山での仕事は、特に注意深く行うことを常としている父です。
私だったら、ガブガブ噛まれていたかもしれません。
その日、父は猪・鹿用の柵を据え付けていました。
山の畑は、綺麗な形をしていません。
勾配もあれば、隣接する耕作放棄地の伸び放題の笹竹が覆いかぶさってきていたり
材料を持って歩くのさえ一筋縄では行きません。
柵を設置する場所に生えている雑木や草を刈り取っている時、
「ん?!」
父の手のわずか先にトグロを巻いているマムシがいることに気がついたそうです。(ヒェ〜っ!!)
父は、そばにあった棒でやっつけようと考えました。
「マムシは鳴かしたらダメやから、できるだけ一気に仕留めんといかんから焦った」
そこは岩も多く一発で仕留めるのが地形的に難しかったそうです。
父の予想通り、マムシは岩の隙間に逃げてしまったようです。
その話の後、
「
マムシが鳴く」話になりました。
蛇が鳴くなど、聴き始めです。
「鳴くの?」
そう問う我が娘を見る父の顔ときたら・・・。
(『我が娘はマムシが鳴く事も知らんのか!!!!』という顔ですね。)
ぼんやりと生きて来た山の子ですから(笑)知らない事で山の中は溢れております。
「鳩が豆鉄砲を食ったよう。」とは、この父の顔だな。そう思いながら
鳩の顔を見ていました。
続く。
家には夏になると招かれざる客がやって来ます。
虫です。
総じて大きめのサイズの
蜘蛛、蚊、そして百足。
この百足夜中に、寝てる母の顔を横断したり、天井からぽとりと落ちて来たり。
どれも衝撃的な登場ばかりです。
しかも、10cm越えの迫力サイズです。
私は、全く遭遇しないのですが、ほとんどのムカデエピソードは母です。
夜中に、ふーっと目が覚めた母は、薄明かりの中何気無く枕の端に目をやりました。
視線を感じたのです。
視線の先には、こちらをじっと見つめる大ムカデ。
母は、その辺にある物を無我夢中でつかみ格闘の末、百足をやっつけたそうです。
夜中だったので、百足の亡骸はそのままにして再び眠りにつきました。
明け方、「痛いーーっ!!」母の枕元で、足を抱えもがく父の声に母は驚いて目を覚まします。
父は、夜中に母がやっつけたムカデの死骸を踏み、まさかの死骸のムカデに噛まれて
悶えていたのです・・・。
生命力が強いので、仮死状態だったのか否かは不明ですが、
息が出来ないぐらい大笑いしながら母が、その話を私たちにしてくれました。
母は、ムカデに最も遭遇しますが一度も刺されていません。
いやはや、運の強い母です。
圃場でも招かれざる客がやって来ます。
ムカデもいます。
死んでいました。