「自然は天才か!」と感動することが度々あります。
その中の一つが栗です。
正確には「いが」です。
花火の締めくくりは線香花火。
と、決まっておりました。
この線香花火がとても難しくて、派手な花火とは一線を画しておりました。
コウゾ紙のコヨリの先を持ってろうそくに近付けるとパァッと
一瞬で火がついて真ん丸の蕾になります。
しゃがんだまんま少しろうそくから離れようと体を動かした途端に
線香花火の蕾は「ポトン」と落ちて消えてしまいます。
も一度新しい線香花火に火を付けて蕾を落とさない様に
静かに体を動かして、火花が飛び出すのを息を凝らして見つめます。
隣で小さい妹二人が、親に火を付けてもらっておとなしく線香花火を見ています。
そちらは、順調に火花が分裂して、次第に柳の様な細い火花に変わっていきます。
はたと自分の線香花火に目をやると、遠に蕾が落ちてただのコヨリを掴んでいます。
(いつの間に!!)
なかなか、線香花火を最後のひと火花まで味わうのには運と技術がいるものだと
子供心に思っておりました。
帰り道のみち草で、この花を見つけると草をかき分けてでも
摘んでいました。
私にとって
秋の知らせは、「金木犀」の香りです。
「幼稚園嫌いの私」が
幼稚園に登園途中、初めて嗅ぐ金木犀の香りに感激し少し登園の嫌さが紛れたのです。
幼稚園が絶望的に嫌だった私の本当に数少ない「楽しい」気持ちを作ってくれた香りです。ちなみに、この花は妹がよく摘んでいたシオン(だと思っています。笑)
今も好きな様子で、この写真をとって送って来ました。
秋晴れです。近頃気候が爽やか過ぎて、食欲が止まりません。
うちのおばあちゃんが、私のもぐもぐ食べる姿を見て、
「気持ちいい。」と言ってくれます。
歳を重ねると、だんだん食べられる量が少なくなるのだそうです。
なので、食べたいと思ってもそれ以上食べられない。
その横で、勢いよくご飯を食べる私を見ているとそれだけで元気になるのだそうです。
ちょっとおばあちゃんと「食欲」を取り替えっこしたいような気もするのですが、
そんな風に思われているのだと思うと、
のびのびもう一杯お代わりしてしまいます。
畑でマシュマロが落ちていました。
朝方、布団を蹴飛ばして寝ていますと寒くて布団の在り処を足やら手やら
モゾモゾ動かして必死で探してしまいます。
絶対に目は開けません。笑
やっと見つけた布団をファサッとかぶって「あったかい」至福の時を過ごします。
秋です。
ひと雨過ぎていくごとに秋が感じられます。
朝に限っては、寒いです。
寒いのはだいぶ苦手なほうなので、もうそろそろ私の動きも鈍っていきます。
収穫で賑やかだったブルーベリー畑に静かな時間が戻って来ました。
天気予報は「過去にない程の台風」が近畿にやってくると。
静かになったと思ったらコレです。
台風前に鳥たちが入って来てもいいように、ネットの回収です。
我が息子にも手伝ってもらい早朝から作業を始めます。ポツン・・・
「え?なんで!?」作業を始めた途端に土砂降りです。
「ち〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・。」
あっという間に二人ともずぶ濡れです。
完全に戦意喪失。
けれど、台風が来る前にネットは回収しなくてはなりません。
作業を中止するわけにもいかず、そのまま続行です。
「Booon~!(軽トラの音)」
土砂降りの中、颯爽と現れたのは「お父さん」!!!(涙)
もはやこの状況下ではピンチに現れた、「ヒーロー」です。
ヒーローは、ずぶ濡れになりながらテキパキと作業を仕切り始めました。
毎回この作業は特に父の経験を頼らないと全然うまく行きません。
最悪のコンディションでも、父は丁寧に手を抜かず作業を進めて行きます。
改めて自分の大らかさ(笑)が母親に似たのだと確信しながらも、それなりに私も頑張ります。
はるか向こうでネットと格闘中の息子に目をやりますと、初めての回収作業に土砂降りの雨のサービスポイントまで加わって、どうやら心が折れ模様・・・。
そっと放っておきます。
ようやく雨が止み晴れ間が差して来た頃、子供達を学校に送り出した妹と母が軽やかに
やって来ました。
「✨だいじょ〜ぶ〜?✨服濡れたやろ〜?」
ええ。土砂降りでしたからずぶ濡れで消沈していますとも。
(でもその、あっかる〜い声で大丈夫になりました笑。)
上を向きながらの作業に加えネットが色々なものに引っかかったり
びっくりするような虫が絡まっていて気持ち悪かったり。
今年は小学生のちびっこ達は夏休みが短くて
お母さんである妹は
「とても丁度いい長さの夏休み!✨」と目をキラキラさせています。そんな訳で、妹が普段より多少心に余裕をもって迎えた夏休みでした。
学校がある時よりもうんと早起きをして
ブルーベリー畑に手伝いをしに来てくれます。
畑の平均年齢がぐんと若返って、空気もほんわかと軽くなる気がします。
小さな手で一粒ずつ実を摘んでカゴに入れています。
特に何も教えなくても、カゴを腰にくくって仕事をしてくれています。
可愛いな〜❤️
小さな姪っ子と爽やかな朝を過ごせるシアワセ。
子供の頃セミ採りは水遊びと互角の私の長い夏休みの時間を埋めてくれていました。
セミを捕まえる上級者は網は使いません。
息を殺し背後から忍び寄り一瞬を逃さず、素手でせみの頭のあたりをガシッと
掴むのです。
不意を突かれ捕まったセミは「ビッビビビッ」と抵抗して鳴きますが
私は躊躇なく虫カゴにほいっと放り込んで次のセミを探します。
手の届くか届かないか際どいところで鳴くセミとの対峙は
緊迫感が増します。
跳躍して一発でセミを仕留め、尚かつ着地のバランスにも配慮しなければ、
そのまま山の斜面を滑り落ちてしまいます。
更にそのまま池に落ち河童に連れ去られる危険を孕んでいる場所のときもあります。
けれど、そんな危険を鑑みるも選択肢は一択なのです。
「そこにセミがいるから。」
緊張で研ぎ澄まされる集中力。
(もっと他に使えたなら・・・。)
子供の頃、夏でも大人が言うほど「暑い暑い」と思わずに過ごしていたのは、
夏の1日が「ビニールプールに入って、セミを捕まえて、スイカを食べて昼寝して、捕まえたセミを眺めてビニールプールに入って、セミを捕まえて、スイカを食べて、弱ってきたセミを慌てて虫かごから出す。」そんな忙しない一日だったからなのだと今しがた気がつきました。
「私は目の前に『蛾』が3匹いたら死ぬ。」
静かにそう語るのはうちの母。
母は『蛾』がこの世で一番怖いのです。
ある時、山で栗拾いをしていたらモンシロチョウほどの大きさの蛾に出くわし、
「ギィヤァ〜〜〜〜!涙」と耳をつんざく悲鳴をあげながら
猛スピードで急斜面を駆け抜けていく母を見て
「無敵の母の弱点」を見た気がしました。
出先で妹が梅干を食べた様な顔で、こっちを見ているので
「どうしたの?」
「蛾!で〜っかい蛾!」
ちょっと強めの囁き声でそちらを指刺しています。
近くに行って見ると、巨大な蛾が地面にスワンと羽を広げて
じっとしています。
なかなかの見た目の蛾です。
そーっと近づいて、パシャリ。
雨、雨、雨、、、。
かと思えば、全然降らなくなってしまいました雨。
確かにあの雨続きの梅雨の頃は
お天道様の顔が見たいと、太陽を恋い焦がれた私ですが
ちょっと雲で隠して欲しい〜そのギンギラギンの顔!
ブルーベリー畑のカエルもこの表情。