父に豆鉄砲を食らわしたわけですが、
父は改めて「マムシ を鳴かすと仲間が寄って来る」と話してくれました。
仲間?え?
この会話に乗ってきたのは母です。
「昔、お父さん(私の祖父)が草刈りをしていたらマムシに遭遇したのよ。お父さんやっつけようとした時に
マムシが鳴いたらしいの。お父さん内心「まずいな」と思ったらしいんだけど、そのマムシはやっつけたし
草刈りを再開したらしいの。すると、まさかのまたマムシがすぐに現れて、またやっつけたんだけど、
結局5匹もマムシに出会ってしまって、流石に不気味になって帰ったんだって。
1匹目を仕留める時に、鳴かしてしまったから仲間をよんだんだろうけど、1匹で会うのでも、そう頻繁には
出会うことがないだけに、5匹も立て続けにマムシにあったのは、あの強いお父さんでも怖かったって言ってたわ。」
こっわ・・・。
何そのマムシの絆・・・。
母の話に思考が追いつかなくなりました。
私の横で、母の話を聞いていた父に目をやると、このエピソードを聞いたのがおそらく初めてだったのでしょう。
絶句していました。
まむしは鳴くのです。
仲間はその声に駆けつけるのです。
猛毒を持っていますし、1匹でも戦えるほどの強者なのに仲間の絆まであるマムシ。
本気の「強さ」を携えているのです。