徳島県産ブランドの菌床椎茸「天恵菇(てんけいこ)」を栽培しています
私たち徳島椎茸ファームが作っているのは、徳島県産ブランド菌床椎茸「天恵菇(てんけいこ)」です。 「天恵菇」は、椎茸嫌いの子供たちにも安心して美味しく楽しく椎茸を食べてもらいたいという想いで12年の開発期間を経て誕生しました。 茸師(なばし)の認定を受けた農家しか栽培できない希少な椎茸です。 旨味成分(グアニル酸)が強く、非常に大きく肉厚に育つ品種で、天恵菇として認定されるためには、天恵菇の品種であること、大きさ7㎝以上で形が丸くきれいなものという基準をクリアしてることが条件となります。 天恵菇は全国で栽培されていましたが、栽培の難しさから作る農家は年々減っています。今はハウス1棟ですが、天恵菇という素晴らしい椎茸を残していくために、3〜5年の間にもっと栽培を伸ばしていこうと夫婦二人で頑張っております。(2024年6月現在)

天恵菇を食べたときの感動から栽培者へ転身
私たち夫婦はともに関西出身。大学で出会いお互い東京で就職しました。 私は酒販店、妻はITコンサル、都会の真ん中で農業とは無縁の世界で暮らしていました。 天恵菇との出会いは、妻の親から徳島のものが届いたことがきっかけです。 義両親はたまたま仕事の関係で徳島に住んでおり、徳島においしい椎茸があると特産品を送ってくれたのでした。
このようなひょんなことから天恵菇を知ったのですが、一口食べたらその美味しさに感動! 椎茸といえば、料理に入っていれば食べる程度でしたが、天恵菇は本当においしくてびっくりしました。もっと食べたいということで義両親にお願いすることもありましたが、天恵菇は手に入りづらい椎茸。 たまたま義両親が生産者さんと出会う機会があってたまに食べることができました。 しかし、あまりのおいしさに私も生産者さんを紹介してもらい、開発者である徳島県のきのこ農家さんのもとを訪問。天恵菇開発のお話や、菌床の素材は厳選した国産のもの有機JASをとった国産を使うなど食の安全への思いなどたくさんのお話を伺い、そのこだわりにも感動しました。

天恵菇は栽培が難しく、今は全国で両手で数えられるくらいの農家さんしかいません。結果が出るまでに時間もかかるので途中でやめてしまう人も多い品種です。 でもこんなにおいしい椎茸を諦めるのはもったいないと強く感じました。そこで、自分も天恵菇栽培の一員となってこの美味しさをもっと多くの人に広めたいと思い、移住と修行を決意。 開発者の方に修行をさせてほしいと頼み込み、2022年徳島に移住し、1年ほど開発者の方の下で修業して茸師の認定を受けることができました。それから天恵菇栽培を引退した方からハウスを借り、自分たちの天恵菇栽培が始まったのです。 前に栽培していた方も有機JAS認証を取得されていましたが、私たちはまだ栽培年数が短いのでまだJAS認証は取れていません。 有機JASは取れるようになり次第取得し、ゆくゆくは菌床を栽培する施設も欲しいと考えています。

こだわりの天恵菇と人々の食卓を結び、安全でおいしい天恵菇を残していきたいです
天恵菇開発者の方と同じく、私たちにも食の安全を前提として美味しい天恵菇をより多くの方に食べて欲しいという思いがあります。 私たち夫婦はもともと食の意識が高い方ではなく、社会人になってから意識し出して、2024年の2月に妻が出産したことでますます意識が高まってきました。 自分が普段口にするものがどのように作られているのか、気にかけていらっしゃる方には、ぜひ色々お伝えして天恵菇を楽しんでいただけたらと思います。 食やくらしを丁寧に考えているお客様と天恵菇を繋ぎ、多くの方の豊かな生活のお手伝いになれば幸いです。
今は開発者の方から菌床を買って生産している状況ですが、ゆくゆくは自分のハウスで菌床を作れるようにしたいと考えています。 菌床づくりから収穫までの流れを見学いただいたり、お客様の手で収穫いただけるような体験を提供したいと思います。 また、加工食品作りも考えており、乾燥したもの、お肉などと一緒に炒めて食べるなど、天恵菇の可能性を追求しています。 天恵菇は大きいのが魅力ですが、大きすぎるという人も多く、日々の料理に取り入れるのも難しいそう。そのあたりを考え、より多くの方に食べていただけるよう加工食品も開発中です。
私は、ものづくりが好きで美味しいものが好きという人間です。 もともとウイスキーを作って売りたいという思いからお酒の小売業に就職していました。 天恵菇の栽培を始めてからもその思いは密かに大切にしており、使い終わった菌床を使ったウイスキーを作ることが夢です。菌床は使用後に廃棄されるのが一般的ですが、有機JAS認証を取得しているため安全な作物を作る肥料にできます。 その肥料で大麦を育ててお酒にしたい、これが私の最終系! 天恵菇を守りながら夢に向かってこれからも農業に邁進して参ります。
