2025/06/06

青森県黒石市の自然豊かな里山で、羊と平飼い鶏を育てております「津軽さとやま農場」です。
農業や畜産の経験がなかったところからのスタートでしたが、地域おこし協力隊として移住し、羊の飼養に挑戦することから始まりました。
羊や鶏のエサには、地元のりんごジュースの搾りかすをベースに、おからなどの食材を嫌気発酵させた自家配合飼料を使用しています。
地元の果物や野菜も加え、食材の命を最後まで活かす工夫を。畜舎の敷材にも農産加工の残渣を活用することで、ゴミの削減やCO₂排出量の低減にも取り組んでいます。
有機JASの取得はしておりませんが、飼養管理の基準はそれに準じており、飼料や堆肥にも気を配り、羊や鶏が本来持つ力を最大限に引き出せるよう努めています。
羊肉は脂の甘みや臭みのなさが特徴で、試食会でも高評価をいただきました。
卵も200羽ほどの鶏から毎日丁寧に採取しており、今後は最大400羽まで拡大する予定です。

大学卒業後は営業職として働いてきましたが、ずっと心のどこかで「農業がしたい」という気持ちを抱えていました。
コロナ禍をきっかけに、都会での営業職から一転、YouTubeで見たサバイバルや移住系の暮らしに心を動かされます。
そして「自給自足=農業」という考えに至り、移住を決意。
2022年に青森県黒石市の地域おこし協力隊に応募し、羊の飼育に挑戦することになりました。

すべてが初めての世界でしたが、羊牧場に自ら連絡を取り、羊を譲ってもらうところから始め、DIYで小屋を整備し、畜産の道を切り開いてきました。
羊の飼育は想像以上に時間も体力も必要で、収益化のハードルも高いと感じたので、羊を続けるための土台として養鶏も並行してスタート。
りんご農家やおからを扱う豆腐屋さんなど、地元の6社から原料を分けてもらい、独自の発酵飼料を手作りする日々です。
餌は買ってくる時代ではない。
そう考えて始めた発酵飼料は、まるで漬物のようで、香りも良く、羊や鶏たちの健康にも大きな効果があります。
地域の資源を循環させることで、農業と環境が共に豊かになる未来を信じて、畜産と向き合っています。

「津軽さとやま農場」では、羊のお肉や卵を通じて、食の安心と幸福を届けていきたいと考えています。
現在はまだ出荷数も少なく、羊肉は12月、次は出産を挟んで10か月後の出荷予定です。
羊毛も将来的にはフェルトや糸に加工したい方へ届けたいと考えており、手仕事が好きな方にもご興味持っていただけると嬉しいです。
また、2025年3月には試食会を実施し、有名レストランやホテルのシェフからも「脂が美味しい」と高い評価をいただきました。
この経験を励みに、より多くの人にアップルラムとして味わっていただけるよう力を入れていきたいです。

畜産は休みのない仕事ですが、動物たちと毎日対話しながら、ともに育つ感覚を大切にしています。
食育に携わる方や、食の安全に関心のある方にはぜひ手に取っていただきたいです。
今後は、農業に関心のある若い人の相談にも乗れるような存在になりたいと考えています。
「羊って面白そう」「畜産やってみたい」そう思ってもらえるような、次世代につながる畜産家を目指して、これからも一歩ずつ前進してまいります。


首都圏から移住して平飼い養鶏を始めました。
八甲田山の麓に位置する青森県黒石市。地元のりんごや野菜、美味しい山水で鶏を育て卵を採っています。
自然との調和と循環が図れた平飼い養鶏です。


