カカオは、チョコレートになる前からすでに美味しく、奥深い
シンチャオ♪
発酵実験のご報告の前に、今日はまず「収穫したばかりの、生のカカオ豆」についてお話ししたいと思います。 普段、私たちが目にするカカオは、発酵され、乾燥され、焙煎され、チョコレートになった姿がほとんどです。でも実は、その前段階にこそ、カカオという植物の“本質的な凄さ”が詰まっています。
こちらは、収穫直後のカカオ豆を縦に二つに割った写真です。 まるで人間の脳の断面図のような、不思議で美しい形をしています。色は、はっきりとした紫色。この紫色の正体は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンです。
アントシアニンは、ブルーベリーや紫芋などにも含まれる抗酸化成分で、目の健康や血流改善などで知られています。ただし、これはカカオポリフェノールのほんの一部にすぎません。
カカオに最も多く含まれているのは、フラバノール(カカオフラバノール)と呼ばれるポリフェノール群です。 フラバノールには、 ・血管をしなやかに保つ ・血流を改善する ・抗酸化作用による老化抑制 ・脳機能や集中力のサポート といった働きがあることが、近年の研究でも注目されています。
カカオが「神様からの贈り物」と言われる理由は、こうした自然の力が、ひとつの豆に凝縮されているからなのだと思います。
次の写真は、果肉に包まれたままの生カカオ豆を、フライパンで軽く煎ったものです。 カカオといえば焙煎してチョコレートにするのが一般的ですが、OCAでは「チョコレート以外のカカオの活かし方」をずっと研究しています。
実は、生豆を軽く煎っただけのカカオ豆は、とても香ばしく、そのまま食べても美味しいのです。 ナッツのようでありながら、カカオらしい奥行きのある香りがあり、噛むほどに個性が出てきます。
煎った後に縦割りしてみると、中にはまだ紫色が残っています。 これは、焙煎を強くしすぎていない証拠でもあり、ポリフェノールが多く残っている状態です。 「どこまで火を入れるか」で、味も栄養も大きく変わる。この繊細さも、カカオの面白さです。
こちらは、カカオポッドから取り出したばかりの、白くて甘い果肉(カカオパルプ)に包まれたOCAのカカオ豆です。 糖度は20度以上。果物としても驚くほどの甘さがあります。
通常、この糖分は発酵の過程で微生物によって消費され、アルコール発酵が始まります。その過程で、カカオポリフェノールの一部は減少しますが、同時に強い苦味が落ち着き、チョコレート向きの風味へと変化していきます。
OCAでは、 「発酵前の生豆」 「発酵途中のカカオ豆」 「発酵後のカカオ豆」 それぞれを、別の“食材”として捉えています。
発酵途中のカカオ豆も、ポリフェノールは減りつつありますが、その分、苦味が和らぎ、まったく新しい表情を見せてくれます。 この変化の途中にこそ、まだ誰も知らないカカオの可能性がある。私たちはそう考えています。
発酵実験は、その可能性を一つひとつ確かめるための作業です。
カカオは、チョコレートになる前から、すでに面白く、すでに美味しい。 そんな視点で、これからもOCAのカカオを見ていただけたら嬉しいです。
