発酵精度を高めるための少量発酵試験
シンチャオ♪
今年、OCA Cacao & Chocolate では、カカオの発酵精度向上と、新たな発酵レシピの開発を目的に、ブンタウの自宅で少量発酵の試験を開始しました。 農園では木箱とバナナの葉を使い、ある程度まとまった量で発酵を行っていますが、自宅での試験ではそうはいきません。一度に発酵できる量はごく僅かで、大きな設備を持ち込むこともできません。
そのため、昨年から時間をかけて「少量でも発酵の再現性を確認できる方法」を検討し、日本で器具を選定・調達してベトナムまで持ち込みました。今回のブログでは、その試験の初期工程と考え方をご紹介します。
最初の工程は、収穫したカカオポッドを割る作業です。 これが想像以上に大変で、室内で安全に割れる場所を探し、最終的には作業机の脚を使い、手に持ったカカオポッドを叩いて横に二つに割りました。
カカオポッドを割ると、中から白い果肉(カカオパルプ)に包まれたカカオ豆が現れます。 農園で発酵が進んだ豆と比べると、色の違いは一目瞭然です。すでに発酵が始まった豆は茶色へと変化し、果肉も溶け出しています。
自宅での発酵では、抗菌性の高い新しいステンレス器具を使用するため、そのままでは発酵が進みにくい可能性があります。 そこで、農園で発酵が進行しているカカオ豆を数粒加え、発酵の「種」として混ぜ合わせました。これは自然発酵のきっかけを人工的に補うための工夫です。
使用している器具は、市販の2L計量カップに、排水口用のステンレス器具がぴったり収まる構造です。 底に数センチの隙間を設けることで、発酵によって溶け出すカカオパルプの液体が下へと流れ、豆が浸かりすぎないようになっています。この構造が、少量発酵では非常に重要になります。
発酵に欠かせないのが温度管理です。この保温器を手に入れるまでには、実はかなり苦労しました。 ベトナムのECサイト、日本の通販、どちらでもトラブルが続き、三度目でようやく届いた中国製の保温器です。正直不安もありましたが、問題なく作動して一安心しました。
ラップで軽く覆った容器を保温器に入れ、一定温度を保ちながら発酵を進めていきます。 農園とは異なる環境だからこそ、細かな条件設定が重要になります。
発酵の進行を感覚だけに頼らず、数値で把握するために糖度計を使用しています。 白いカカオパルプは非常に甘く、今回測定した糖度は20度を超えました。一般的には10数度と言われており、チャウドゥクのOCAカカオは特に糖度が高いと感じています。
あわせてpH計も使用し、発酵中の酸性度の変化を記録します。 糖度計もpH計も、保温器もすべて中国製ですが、重要なのは産地ではなく、正しく機能し、継続して計測できることだと考えています。
これから毎日、温度・糖度・pHを確認しながら、発酵の経過を丁寧に観察していきます。 この小さな自宅での試験は、農園全体の発酵品質を安定させるための大切な基礎作業です。
続きは来月、発酵がどのように進んだのかをあらためてご紹介します。
