海と山に恵まれた静岡県の下田で24時間放し飼いの養鶏場を営むfarm1987

私たちは夫婦二人、下田の山を切り開き24時間放し飼いでアローカナを飼育しています。 farm1987の読み方はファームイチキュウハチナナ、私たち夫婦の生まれ年から名付けました。 作る卵は、オメガ3が普通の卵の4倍にもなる健康的な青い卵「下田ブルー」です。 薬や抗生物質等はいっさい与えず、鶏がもつ本来の免疫力を高め病気になりにくい身体作りをしております。 私たちは(実は卵の味や栄養などの事は二の次で、、、)とにかく鶏たちが健康でいてほしいの一心で、鶏ファーストを掲げ環境作りや餌作りを頑張っています。 餌は鶏の健康を考え、全て一から手作りした発酵飼料。これは4羽をペットで飼っていた頃から変わりません。 そして、地域で出る本来捨てられてしまうような下田の海の幸山の幸を豊富にブレンド。 餌集めに毎日走り回っていますが、鶏用の野菜を届けてくれたり応援してくださる方も多く、鶏、地域、お客さまなど多くの方に喜んでいただける養鶏場となっていることを嬉しく思います。
移住先で鶏を飼ったことをきっかけに養鶏の道へ

私たちの暮らす静岡の下田は、実は夫婦ともに縁もゆかりもない土地でした。 生まれも育ちも全然違う田舎町、都会に就職し11年間勤めた後の移住です。 元々は移住して飲食店をしようと思っていたのですが、たまたま立ち寄った際にご縁がありこの地に移住することを決めました。 自給自足的な暮らしを求めて、海の漁、山の猟、いろいろなことをしています。 最初は自分達で飲食店をしようと考えていたのですが、新型コロナウイルスの流行で飲食事業は頓挫。 ペットとしてアローカナを4羽飼っていたことをきっかけに養鶏事業にシフトしたのが2020年です。 運良く広い土地を売りたい人との出会いがあり、農地、山林合わせて2000坪の土地を得ることができました。 1000坪の耕作放棄地だった農地を夫婦で二人で切り開いてできたのが今の鶏たちの放牧地です。 基本は屋根がないので風通しが良いためか、私たちの養鶏場では病気は今の所一切ありません。 雨が降った時に鶏も私たちもドロドロになってしまうため作業が大変になりますが、これも鶏たちの自然な姿であると考えます。 また、自然豊かな土地なゆえ、猪やハクビシンなどの害獣も多く、最初は害獣対策などにとても苦労しました。 1年ほどかけて地面からの侵入者のために柵を作り、それから空からの襲来を避けるためにネットを張り、4年目となった今でも試行錯誤しながら鶏たちがのびのびと暮らせる森を作っている最中です。
なぜアローカナを買い始めたかというと、変わった品種であることと静岡県内でひよこが買えたという偶然でした。 とても可愛い鶏で、それを増やしていって鶏たちの森となっています。 青い卵はあまり馴染みがないかもしれませんが、私たちの可愛いアローカナの幸せの青い卵として皆様に親しんでいただければ幸いです。 ちなみに、もともとペットとして飼っていたアローカナたちも森の養鶏場で暮らしています。 家で暮らしていた時は私たちにとても懐いていて、後をついてきていたのですが、今では群れの中にすっかり溶け込み、私たちが呼んでもきてくれることはなくなってしまいました。 それでもペットのアローカナたちは一目でわかります。 寂しさを感じますが、これも鶏たち本来の姿なのかもしれませんね。
自分達ができる範囲の養鶏を継続しつつ、新たなことにも挑戦していきます

今は1000坪の森の中に約650羽のアローカナたちが暮らしています。(2024年3月現在) 養鶏業はこのままの範囲で広げる予定はありません。 餌の確保や養鶏場の整備や販売面も含め、今の状態が限界だと考えています。 無理をして羽数を増やすと、鶏にも大きな負担がかかるので減らす可能性も検討しています。 養鶏が落ち着いてきたら、今後は飲食店で出せる商品を作ったり、農作物の商品化も考えています。 レモンやパッションフルーツなどは養鶏場の中で育てており、もうすぐ販売もできそうになってきました。 また、卵を産めなくなった鶏たちでペットフードも作りたいと考えています。 鶏たちは敬意を持って自分達で捌き、ペットフードとして最後まで命に感謝したいと思うのです。 養鶏場を始める時、ペットの鶏があまりに可愛くて最後まで命が尽きるまで飼おうと考えたこともありましたが、寿命が7年のうち卵を産まない期間の方が長かったり、餌の問題や私たちの暮らしも考えると難しいと悟りました。
現在、3歳となる1期生の鶏たちもあまり卵を産まなくなってきました。 これから厳しい判断を迫られる時期が来ます。ここまで家族のように可愛がってきた子たちですので、とても辛いですが、無添加のペットフードとして良い商品に生まれ変わり、最期まで鶏たちに感謝していきたい想いです。
環境や廃鶏のことなども含め、鶏を育てているということは私たちのこだわりです。 より自然に近い環境で飼っていることを、沢山の方に自然養鶏を知ってもらいたい。 そんな思いで下田ブルーとしてのブランディングし、販売活動にも力を入れてきました。 私たち夫婦も最初は食べ物にそこまで関心がありませんでしたが、移住して養鶏を始めたことで物の見方など食への思いも変わったと思います。 健康に良くて(何故なら鶏たちが健康だから!)何よりもおいしい卵である!と自信がありますので、まずはぜひ手に取って召し上がってみてください。 そして、自分の食べる物がどのような場所でどのように生産されているかなどに興味を持っていただけますと幸いです。 そのためにまず自分達の生業として養鶏場を継続しつつ、新しい事業もチャレンジしていきます。