春の手前の季節。
待ち遠しい気持ちは人間も動物も草木も同じです。
父と母は、もうしばらくだけ小鳥たちに差し入れをします。
台所の小さな窓から、餌を食べにくる鳥たちをそっと気付かれないように
こっそり眺めながら、二人は嬉しそうにしています。
私たち娘が離乳食を食べ始めた頃も
こんな表情でいたのかなぁ。と辿っても思い出せない赤ちゃんの頃の自分を思い返します。
警戒心の強い野鳥ですが、安心して差し入れを美味しそうについばみます。
この餌置きは母のリクエストで、父が作りました。
丈夫で立派なものです。
ブルーベリー畑の剪定をしています。
父の何十年もの経験の末に教えられる剪定方法に逆らう私は毎年父に怒られます。
今年も怒られています。
そんな父は、母に叱られています。(笑)
今年もそんな季節がやって来ています。
そんな時、妹がいつも間で緩衝材のようになって衝撃を吸収してくれています。(大感謝)
熊?えっ誰っ!!!
圃場の旦那さんから写真が一枚送られてきました。
見てびっくりです。
大きな足跡です。
大寒の水を特別なものとして昔からとっておきます。
お鏡餅もこの水に浸けておきます。
この時期の空気の温度は温度計の示す同じ1度でも、全く違うと思っています。
深く眠っているような空気です。
体に染み渡っていく冷たさは、「生きている」ことを再認識させられます。
今頃になって気がついたことがあります。
寒いから暖かさを求めて服を着込んだりストーブの前に行くよりも、
潔く体を寒さに晒す方が、寒くありません。
池の中の金魚たちどうしているのかと思いを馳せます。
夏の頃は、水面で気持ちよさそうに泳ぐ姿を見ますが、この季節にはちっとも姿を見せません。
薄い氷が張っては、ゆっくり溶けていく。
この繰り返しを何度も経て、ふきのとうが顔を出します。
今までの自転と同じ速さのはずなのに、日に日にそのスピードが増すような体感で次々に命が芽吹き始めます。
大寒の頃は、私も生きる速度を緩めてみようかな。
池に張った薄氷の上に雪が積もり始めました。
新しい年が始まりました。
師走は、毎度世間の忙しさに必ず巻き込まれるので気がつけばお正月です。
挨拶が「おめでとうございます」から始まる特別な朝です。
霜が降りて、吐く息が真っ白に。
寒くて着込みすぎてコロンコロンです。
師走の忙しさにバッチリ巻き込まれているので、
コロコロの姿でチャカチャカと動くのは割と大変です。
「いよっ!」
「ほっ!」
「んがっ!」
はたと気づきました。
何かする度に、自分に掛け声をかけています。
やれやれ、年を取ったものです。
ちょっと思いついたので、やってみることにしました。
もっと大きな声で、しっかりと掛け声を出してみます。
!!!
なんだか、動作がテンポよく軽くなりました。
おまけに、元気が出ます。
夜明けの月に
「はっ!」
冬の朝はキリッとしています。
猛烈に作業のやる気が出た本日は、圃場の手入れをすることにしました。
機械を使って刈れない箇所の草を鎌で刈ります。
威勢良く巻きついた葛のツルをむしり取ります。
夢中で作業を続けます。
久々のやる気スイッチです。
OFFになってしまわぬうちに、出来るだけ完了してしまいたい。
私のスイッチなのですが、どの段階でスイッチが切れるかは予想がつきません。
「ちょっと休憩。」
これが、タイミングになってしまう事が往々にしてあるので
今回の私は、「ちょっと休憩」は避けていました。
ボクサーの計量前ぐらい大汗をかいたので流石に給水休憩を取ることにしました。
腰掛けて、作業の成果を眺めるのは最高の達成感です。
散髪したての息子の頭を撫でるのと同じ感触で草を綺麗に刈ったところを眺めます。
達成感は、ますます私のやる気に火をつけました。
次はどこを攻めようか?眉毛のあたりが痒くて掻きながら圃場を見渡している時、ふと手元に目をやると。
「!っっっ」
自分の服の袖を二度見です。
模様のない服のはずなのに。
やってしまった・・・・。
車を運転しているとなんだか前の車がものすごく安全運転。
おやおや?
注意して走ります。
その理由は程なくして分かりました。
「 ! にじ。」
静々と降る雨に、夕陽が刺さってくっきりはっきりの虹。
この景色に皆、運転する速度を落としていたというわけです。
ささくれだった心や、無味乾燥とした日々に
「フワーーっ」と七色の光が心に拍動を戻した様な感覚に浸ります。
秋の夕方の雨。
こんな寂しいが詰まった景色に、何とも憎い演出です。
すれ違う対向車の車の運転している人に、
「虹。ですね。」
という心の声を顔面いっぱいに表現しながら帰りました。
空の青さは、季節が変わるごとに違う色が広がります。
見上げる事さえ強い太陽の光に拒まれてしまう夏が終わり
安定の爽やかさの秋の空はお腹いっぱいに吸い込んでしまいたくなるほどです。
一斉に秋を彩る花花も、ぐうっと伸びをして緊張をほぐしゆったりとしている様です。
だから、私にもゆったりとした気持ちが伝染します。
寛容さが胃袋にも伝わり美味しい秋のご馳走も食べ過ぎてしまうわけです。
妊婦さんの様なまあるいお腹を撫でながら、「なつかし〜」なんて危機感ゼロの感想を抱くのです。
そんなわけですから
秋は素晴らしい季節です。
甥っ子が遊んだ残り香です(笑)
この小さなダンプカーとショベルカーが土を運んだとみられる山と掘られた穴があります。