妹は、何をやっても要領がいい。
理解も早く、飲み込みも早い。
草刈り機もそうだった。
使い始めたのは、たしか私の方が早かったはずなのに、
気がつけば、妹の方がはるかに上手になっていた。
動きに無駄がなく、リズムもいい。
見ていて気持ちいいほど、機械を自然に扱っている。
一方で、我が家の草刈り機は少し気難しい。
一度休憩を挟むと、途端に動きたがらなくなる。
エンジンが、なかなかかからない。
父はその機械の“癖”をよく知っていて、
少しのコツで、何事もなかったかのようにエンジンをかけてしまう。
けれど私がやると、そうはいかない。
スターターロープを引く。
何度も引く。
そのうち、関節が外れるのではないかと思うほど引く。
それでも、かからない。
見かねた妹が近づいてきて、
「ちょっと貸して」と言うでもなく、自然な手つきで機械に触れる。
ネジを少し緩め、スイッチを確かめ、
まるで機械の機嫌を読み取るように操作する。
すると――
あっさりと、エンジンがかかる。
その姿は、どこか父に似ていた。
少し悔しくて、でも少し誇らしい。
そんな気持ちを抱えながら、今日も我が家の草刈りは続いていく。