春の手前の季節。 待ち遠しい気持ちは人間も動物も草木も同じです。 父と母は、もうしばらくだけ小鳥たちに差し入れをします。 台所の小さな窓から、餌を食べにくる鳥たちをそっと気付かれないように こっそり眺めながら、二人は嬉しそうにしています。 私たち娘が離乳食を食べ始めた頃も こんな表情でいたのかなぁ。と辿っても思い出せない赤ちゃんの頃の自分を思い返します。 警戒心の強い野鳥ですが、安心して差し入れを美味しそうについばみます。 この餌置きは母のリクエストで、父が作りました。 丈夫で立派なものです。
暖かくなってきたね。 そんな会話を交わす時期になると、小鳥たちはあまり姿を見かけなくなります。 自然が豊かに命を支えてくれています。 一斉に桜が咲き始めました。
桜が咲くと複雑な気持ちでしばらく過ごします。 雨の予報が出ると「桜散っちゃわないかな・・・。」 夏のような日差しの日は「慌てて先きらなくていいからね!」 曇っている日は「青空だったらもっと綺麗に見えるのに・・・」 強い風が吹くと「やめて〜!花びらがーーーーっ!」 車で走りながら桜並木を通ると「ここだけだれか運転代わってくれないかなぁ」 ざわざわとした心をよそに 季節は移り変わり、桜の木々も新緑に変わります。 「さ、気持ちを切り替えて進みなさい。」 そう言われているようです。