利家とまつ。
父と松。
20歳の頃庭に植えた松は、二階の屋根ほどまで成長させて枝は5mほど。
50年以上父は世話をしてきました。
松の剪定は痛いです。
剪定というより、松葉を枝から間引いて行きます。
松葉は尖っていますので、長袖を着ていてもうまく繊維の隙間をくぐった葉先が
肌を指します。
しかも、随分大きいので梯子の上で作業します。
私は心配性なので、剪定でハシゴの上にいる父が心配で仕方ありません。
「落ちませんように。」手伝いはしませんが、神様仏様に父が無事に剪定できるようにお願いします。
私が物心ついてからずっとそうして来ました。
最近では剪定し終わるまでに2、3日。
父と松の対話の時間です。
その松が枯れてしまいました。
近所でも何件かかれていました。
父は、いろいろ策を講じて松を救おうとしていましたが、甲斐もなく松は静かに生涯を閉じました。
私たち姉妹で切り倒された父の松を板に引きました。
いつか父と母の食卓のテーブルにしてやりたいと思っています。
松と父がいつでも語り合えるように。(なんちゃって)