花火の締めくくりは線香花火。
と、決まっておりました。
この線香花火がとても難しくて、派手な花火とは一線を画しておりました。
コウゾ紙のコヨリの先を持ってろうそくに近付けるとパァッと
一瞬で火がついて真ん丸の蕾になります。
しゃがんだまんま少しろうそくから離れようと体を動かした途端に
線香花火の蕾は「ポトン」と落ちて消えてしまいます。
も一度新しい線香花火に火を付けて蕾を落とさない様に
静かに体を動かして、火花が飛び出すのを息を凝らして見つめます。
隣で小さい妹二人が、親に火を付けてもらっておとなしく線香花火を見ています。
そちらは、順調に火花が分裂して、次第に柳の様な細い火花に変わっていきます。
はたと自分の線香花火に目をやると、遠に蕾が落ちてただのコヨリを掴んでいます。
(いつの間に!!)
なかなか、線香花火を最後のひと火花まで味わうのには運と技術がいるものだと
子供心に思っておりました。
帰り道のみち草で、この花を見つけると草をかき分けてでも
摘んでいました。