2025/07/11
三重県多気町にて、草からできた堆肥と雨水だけで育てた野菜をお届けしている「タルシル農園」です。
一切の薬剤を使用せず、肥料も使わず、野菜自身の強さ・生命力を支える栽培を行っています。
土づくりには、刈り草を積み上げて発酵・完熟させた草堆肥のみを使用。
ビニールマルチを使わず畝を刈り草で覆うことで土中環境を守り、土の中の微生物を豊かにして野菜との共生を促進したり、覆った刈り草が益虫のすみかとなり生態系のバランスを保つことで虫の被害を軽減させます。
また、草を敵とせず資源と捉え野菜と共存させることにより、連作障害や病虫害の抑制も期待しています。
野菜の種は固定種や昔ながらの在来種を選び自家採種を行って未来に種を繋ぐ、できるだけ石油製品に頼らないなど、持続可能性のある農業を目指しています。
こうした「草のチカラ」を生かした栽培方法をロゴマークに表現し、皆様に安心して食べていただける野菜をお届けしています。

私が幼い頃、両親が米作り・養豚を営んでいたこともあり大学も農学部系に進みましたが、そのころは特に職業として農業を選ぶことは考えていませんでした。
その後化学原料メーカーに勤めましたが、大量生産大量消費・大量廃棄の状況に疑問を抱くと同時に、過度のストレスで体調を崩し、生き方を考え直し始めました。
自分は何のために働き、何のために生きているのか。
地球規模で考えれば人間も一種の生き物に過ぎず、他の生き物同様、生き物として自分の手で食物を手に入れて生きていくのが自然な事に思えてきました。
その頃ふと手に取った福岡正信氏の著書に衝撃を受け、自然に沿った農業に惹かれるようになりました。
社会人向け有機農業学校を卒業後、リゾート施設内に新設された農園の農園長として雇用就農。その立ち上げ・運営に従事し、併設レストランへの野菜の提供を中心に、田んぼでのコメ作り、野菜や米・米加工品の販売、収穫体験や各種機関の視察・学生の見学・企業のイベントの対応を行っていました。
多くの人にもっと強く、深く農業の楽しさ・循環的農業の重要性を発信していくためには、農業を単に職業としてではなく、自分の生き方・存在意義として農業を営み楽しんでいくことが必要であると考え、退職して夫婦で小さな農園を開きました。

「足るを知る」
古代中国の諺やヨガの教えにある言葉で、満足することを知るということで、人の果てしない欲に溺れることなく、現在の状態は足りているということを知り感謝の気持ちを持てば心豊かに生きていけるということを表しています。
大量生産・大量消費でモノに満ち溢れ様々なことが豊かになった現代社会で今必要なのはこの「足るを知る」という考えなのではないでしょうか。
タルシル農園ではそんな「足るを知る」を信条として、自分たちの手で食べ物を作り、道具を作り、楽しみも作っていく暮らしを楽しむことを目指しています。
今や自宅にいながらどんなものでも買える時代。
スーパーマーケットでは季節関係なく様々な野菜が買えます。
便利な世の中ではありますがどんどん野菜の旬が分かりにくくなり、
「キャベツって土の上にできるって知らなかった」
若者のそんな声を聞くと、食と農がいかにかけ離れているかが分かります。
タルシル農園ではできるだけ自然に沿った育て方を行い、生命力あふれた旬のお野菜をご提供することで、もっと多くの方の皆様の食と健康を支えるお手伝いができればと考えています。
特に小さいお子様がいるご家庭では、安心なお野菜を食べていただくとともに食育の機会になれば嬉しいです。
将来的には野菜作りやモノ作りの体験を通じて「生きるチカラ」を身につけてもらえるような子ども向けのワークショップを開催したいと思っています。
未来を担う子どもたちが食と農が一体であることを学び、足るを知った豊かな暮らしを送れることを願って。

【足るを知る】を信条として、自分たちの手で食べ物を作り、道具を作り、娯楽を作っていく暮らしを楽しむ。
草から出来た堆肥だけを使って無農薬・無肥料で旬の野菜を育てています。
草堆肥・刈り草を畑に敷く草マルチ・野菜と草との共生。
私たちは「草のチカラ」を存分に借り、野菜が健やかに育つお手伝いをしています。
草を生かし草に生かされる。「草のチカラ」は野菜たちに宿り、私たちの身体に宿って命を繋いでいってくれるのだと思います。

