強い日差しの下、鶏たちは口を開け、脇を大きく広げて熱を逃がしています。
風を少しでも取り込もうとするその姿は、本能そのもの。
人があれこれと工夫をこらす前に、彼らは自らの体で、この厳しい暑さを受けとめています。
うだるような日々が続く中でも、
「生きる」というただひたむきな力が、まっすぐに、ここにあります。
派手な動きがあるわけではないけれど、
命の底にある静かなエネルギーに、私はいつも心を動かされます。
何も言わずとも、その佇まいの中に、すべてがあるように思えてならないのです。
この夏もまた、自然のリズムに寄り添いながら、鶏たちと共に乗り越えていけたらと願います。
-放牧鶏「暖鷄」-
朝いちばん、まだ空気がひんやりとしているうちに、青々とした草をたっぷり刈って運びます。
束ねた草を抱えて鶏舎へ向かうと、鶏たちはすぐに気づいて駆け寄ってきて、夢中でついばみはじめます。
葉を選んでじっくり味わう子、くちばしいっぱいにくわえて走る子、それぞれの過ごし方があって可笑しくて、愛おしくて。
静かな朝の空気のなかで、草の緑と、鶏たちの茶や白や黒が、やわらかく交じりあいます。
そして、陽が高くなりはじめた昼前、今度は打ち水の時間。
鶏舎の中や放牧場の地面に、冷たい水をたっぷりと。
水が撒かれたところから、じんわりと熱が引いていきます。
舞い上がる水しぶきに誘われて、鶏たちもぱたぱたと集まってきて、
濡れた地面にしゃがみこんだり、水たまりにくちばしをちょんちょんとつけたり。
ほんの少しの水でも、ちゃんと涼を見つけて、楽しんでくれます。
夏は、ちいさな気づきと工夫の積み重ね。
自然に寄り添いながら、鶏たちのペースで、今日もゆっくりと。
— 放牧鶏「暖鷄」 —
毎朝、草を刈って届けるのが、最近の日課です。
まだ朝の光がやわらかいうちに、放牧場のそばで、鶏たちの好きな草を選んで刈りとります。
束ねた草を抱えて歩いていくと、緑の香りに誘われて、鶏たちは一斉に駆け寄ってきて、夢中でついばみはじめます。
その姿を眺めていると、不思議とこちらの気持ちまでやわらかくほぐれていくのです。
暑さが厳しくなるにつれて、ここ数日、産卵数がぐっと減ってきました。
でもそれは、無理をせず、季節に合わせて体が整っていこうとする自然な変化のようにも感じます。
人間だって、暑い日には思うように動けなくなるのだから、鶏たちだって同じ。
この気候のなかで、いま必要なエネルギーのかたちを、自分たちなりに見極めているのかもしれません。
草に含まれるビタミンやミネラル、水分は、そんな夏を乗り越えるための自然からのおすそわけ。
草をついばむという本来の行動は、鶏たちのこころを整える時間にもなっているようです。
草を探し、選び、ついばむ。
ただそれだけのことが、とても大切な朝の時間なのです。
— 放牧鶏「暖鷄」 —
“生きものが生きものらしく、生きられるように。”
空と大地、風と陽だまりに包まれて
この地で育つ鶏たちは、
大地を駆け、草、土に触れ、木に登り、砂浴びをして暮らします。
陽のあたる場所でまどろみ、風の通り道を見つけては羽をひろげる——
そんな日々の延長に、卵はそっと生まれます。
私たちが大切にしているのは、卵の量でも効率でもありません。
“どう生きたいか”を鶏たちに問い、
その声なき声に耳を澄ませながら、
いのちのリズムによりそった暮らしを提供し続けています。
いのちを急かさず、搾り取らず、
その存在をまるごと尊重すること。
そんな環境から生まれる一粒には、
季節も、暮らしも、いのちの時間もすべてが宿っています。
私たちは、その卵を
“いただく”という敬意とともに、あなたのもとへ大切にお届けします。
たくさんの卵より、たくさんの笑顔を。
この一粒が、
あなたの中にある“あたたかさ”や“豊かさ”と、
そっと響きあいますように。
── NaturalEggLab 山野暖尭
梅雨が明けて、空の色が少しずつ変わってきました。
重たかった空気が抜け、光はまっすぐに地面を照らしはじめています。
鶏たちは、そんな変化にも静かに順応しながら、日々を過ごしています。
でも、私たちにとって嬉しい「夏の始まり」は、
彼らにとっては少し過酷な季節でもあります。
強い日差し、湿度、気温の変化――
どれも小さな身体にとっては、決して軽いものではありません。
だからこそ、私たちはなるべくそばで見守りながら、
無理をさせず、それぞれの命がその子らしいリズムでいられるように整えていきます。
卵の数が減ってもかまいません。
大切なのは、どれだけ産むかではなく、
その命がその命らしく、健やかに生きていること。
一羽ずつの声や呼吸に、そっと耳を澄ませながら、
その子に合った歩幅で、歩いていけるように。
自然の中で生きるというのは、
ときに厳しくもあり、でも確かに、豊かなものです。
夏が始まります。
小さな命たちと共に、
ひとつひとつの歩幅で、今年の夏を歩いていきたいと思います。
そんなふうに、命のままに生きる鶏たちと向き合いながら、
ナチュラルエッグラボは、今日も“自然に寄り添う養鶏”を続けています。
命をいただくということの意味を、日々教えてくれる彼女らとともに、
これからも、変わらぬ歩幅で歩んでいきます。
NaturalEggLab
しっとりと湿気を含んだ風に、季節の移ろいを感じる頃となりました。
畑の緑はぐんと濃くなり、空には梅雨の気配が漂っています。
そんな中でも、鶏たちは変わらず力強く、時には大きな声で鳴きながら、
今日も私たちに貴重な卵を届けてくれています。
日増しに暑さが増すこの時期は、体調を崩しやすくなるため、
鶏たちの健康管理にはいっそうの注意が必要です。
いのちを預かるということは、当たり前の毎日を、
当たり前と思わずに手をかけることなのだと、
改めて感じています。
さて、TAMAGOMANIAから、新しい商品が生まれました。
**「放牧卵のやさしいお菓子箱」**です。
平戸の自然の中でのびのび育った鶏たちが産んだ卵をたっぷり使い、
ひとつひとつ丁寧に焼き上げた焼き菓子たち。
まるで物語の詰まった小箱のように、手にとって開けたとき、
ふっと気持ちがほどけるような存在になれたらと願っています。
TAMAGOMANIAは、「たまごと、まっすぐに。」
そんな想いから生まれた、小さなスイーツブランドです。
平戸の自然の中で育った鶏たちの卵。
その力強くてやさしい味わいを、できるだけそのままに。
余計な飾りはせず、素材と静かな情熱で形にしています。
口にしたとき、ふっと心がほどけるような。
そんなお菓子を、今日もひとつずつ丁寧に。
食べものを通じて、心の中にも小さな灯りを届けられるような
そんなものづくりを目指しています。
待ちわびた春も通り過ぎようとしています。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
こちらナチュラルエッグラボは、なかなか春を迎えられぬまま通り過ぎてゆく..
そんな感じでもあります。
皆様には昨年末より大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした。
鶏たちの尊い命をあのような形で失わせてしまい、悔やんでも悔やみきれない日々です。
ただ、再起に向け、前を向いて進んでいかなければなりません。
本当にたくさんの応援を頂き、いつも温かく、この子達の卵を待ってくださる皆様がおられるからこそ、私は諦めず進んでいけます。
皆様本当にありがとうございます!!!!
ありがとうございます。では足りないのですが..
本当に皆様に力を頂いています!
ありがとうございます!!
ありがたいことに、冬に入る前に入雛した雛たちが無事に成長してくれており、来月あたりから卵をもたらしてくれる予定です。
安定供給まではまだまだ時間がかかりますが、それ以上に、じっくり鶏たちと向き合い、日々学びながら、鶏たちにより良い環境を提供し、今後も鶏たちのペースを大事に続けて行きます。
ナチュラルエッグラボ 山野暖尭
※画像はイメージです。
今年も暑い暑い夏がやって参りました。
例年通り、産卵数がすくなくなっておりますので、
お待たせする期間も今以上に永くなる可能性がございます。
それが鶏たちの本能であり、
ここはそれを尊重する場所です。
何卒ご理解いただけますと幸いです。
今年の夏もよろしくお願いいたします。
0.1%
日本でケージフリー養(平飼い(地面の上で養))されている鶏の割合はどのくらいだと思いますか?
日本では公式なデータはありませんが、大体1%~多くても2、3%であると言われています。
飼養されている鶏の総数はあっても、日本の採卵養鶏場は基本的にケージ飼い(金網でできたかごの中で養)であるため、どの様な飼養をされているかの割合までを公式には公開されていません。
然し乍ら総数や様々なデータを見ると、1%少ししか平飼いされている鶏はいません。
そして、より自由度が高く自然に近い放牧となると、正確ではありませんが、0.1%以下になります。
下手すると更に少ないかもしれません。
0.1%以下。
こちらの様な暮らしをしている鶏は、現状、極々わずかです。
卵を増やしたいのではなく、こうして、より自然に近い形で生きる鶏たちを少しでも増やしたい。
たくさんの卵を作るのではなく、この自然の営みの中でもたらしてくれる卵で、たくさんの笑顔を作りたい。
その思いで始めた放牧養鶏。
それは現在に至るまで、そしてこれからも、変わりません。
綺麗事のようですが、実際にそれをやるということ。
我が事として、覚悟を持ち取り組んでいます。
少しでも多くの鶏たちに、
生きている間を楽しんでもらえる空間を作り、提供して参ります。
美味しいの先に、笑顔がありますように。
鶏にも自然にも。
いつもありがとうございます。
-平戸平飼い放牧卵itadaki-
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