定義がない慣行農法。「慣行」は誰が決めたのか?

さて!いよいよ最後、慣行農法を見てみましょう。わかっているようでわかっていない慣行農法・・・困った時のコッピ―(Copilot)くん!に、慣行農法とはなんぞや、と聞いてみた。画像はその回答から抜粋。
結論として、「一律に決まったやり方は存在しない」ということ。 国が決めた基準の中で、都道府県が農薬や肥料の使用基準をつくり、それに基づき、JAなどの出荷場が資材提供と指導を行う・・・ というのが大枠の流れらしい。
そこに各地域での、習慣的なやり方が加えられる。
考えてみれば当たり前で、例えば気温が低く、元々虫の少ない高原地帯では、平地では青虫の猛攻にやられるキャベツなどを夏でもたくさん作っている。使う農薬の量も少なめなんだろうな、と想像できる。土壌だって、火山土壌だったり砂地だったり痩せていたり肥えていたり。雨のおおところ少ないところ、日照時間うんぬんかんぬん。
「慣行」と言われるものでさえ、一律なやり方はできない。それが農業です。
農家になってはじめて知った!「出荷場」と「生産者」の関係
ところで、当園、就農一年目に1度だけ、JAへ出荷したことがあります。JA出荷とはそもそもなんぞや、と関心があったことと、大量出荷もとりあえずやってみよっか、ということで、農薬不使用、化学肥料不使用でもJA出荷できると聞いた菜の花を栽培してみました。
それでわかった「出荷場」と「生産者」の関係… なるほど、こうなってるのか!と。
私の地元には、JA以外にも大量に生産者から仕入れて、大きな市場に販売していく出荷場が、たくさんあります。どうやってそこで販売するかというと、基本的な流れば以下です。
①生産者として登録 ②出荷したい品目の説明会(生産指導)に参加 ③出荷場の指定の、種、肥料、農薬を購入 ④生産した野菜を規格に基づき出荷(指導した通りに作ったという前提。ただしチェックはなさそう…) ⑤出荷場は、変動する相場に基づいて支払い
・・・わかりました? 販売と、生産するための資材購入がセットなんです!!!!! 指定資材をどこまで使うか、どこまで購入の義務があるかは品目や出荷場によって違います。私がトライした菜の花は、種さえ買えばOKでした。だからできたんだけど・・・
大量に買い取ってもらえる出荷場に出すには、基本的に、その出荷場の考える「慣行農法」に従う必要があるんです。

出荷場の役割。販路開拓は血のにじむ努力・・・
出荷場とかJAとか言うと、昨今の米価格の急騰など、「ピンハネ」「価格を吊り上げる」など、みなさんにあまりイメージはないかもしれません…
でもね。 JAに菜の花を出荷したとき、「どれだけ量があっても出荷OK」だったんです。 次から次へと花をつける菜の花・・・ お客さんの注文に合わせて出荷するのは困難です。毎日収穫して出荷しなければ、すぐに使い物にならなくなります。
菜の花以外にも、収穫どきが選べない野菜はたくさんあります。 これを大量に販売したい、となった時、個人で販路を開拓するのはかなりの無理ゲー。
たべるとくらすと に出店されている生産者さんも、販路を探すのにかなりの苦労をされてきたんではないでしょうか。農業だけでも手がいっぱいなのに、せっせとSNSで宣伝する… 綺麗なパッケージに詰める… 丁寧なお便りを同封する… 個人販売は、農業以外の手間が半端ありません。
確かに買い取り価格は低めですが、収穫しただけでいくらでも大量に出荷できることのメリットは相当もの。生産者に貢献していることも確かだと感じています。(注:ものにより包装は必要かもしれません)
そして何を選択するのか
とういわけで。 4つの農法の大雑把な違いを見てきました。
農法が作り方の違いだけ、畑だけで完結しているわけではないことも理解いただけたでしょうか? 農家にとってはどのように社会とかかわるか、という点も、まあまあ農法に紐づいているような気がします。
あなたの口に入る食べ物だけの問題ではない。その選択をするのに多くの視座が必要だと思っていただけたら、とても嬉しいです。そしてぜひ、こんな大雑把じゃない、一つ一つの畑の取り組みについても、興味を持って、農家さんに聞いてみてみてくださいね。
