2026/09/01

2022年に新規就農し、2024年には有機JAS認証圃場となったHakodate Berriesでは、北海道・函館でラズベリーやブラックベリーを中心に育てています。
日本では、ラズベリーやブラックベリーを日常的に楽しむ機会がまだ多くありません。とくに冷凍ベリーは輸入品が中心で、機械収穫や輸送に向いた品種が多く、本来の香りや味わいに出会う機会が限られていると感じてきました。私たちが目指しているのは、オーガニックベリーが日々の食卓にのぼる選択肢をつくることです。
Hakodate Berriesでは、夫の故郷であるスコットランドから取り寄せた苗木も含め、函館の気候に合い、私たち自身が「おいしい」と思える品種を選びながら育てています。ラズベリーは、摘んだらすぐに食べるのがいちばんおいしい果実であり、そのフレッシュなおいしさを大切にしながら、冷凍でも香りや甘み、酸味のバランスを楽しんでいただけるよう、日々試行錯誤を重ねています。
赤いラズベリーだけでなく、黄色のラズベリー、ゴールデンラズベリーも育てています。
ブラックベリーも、欧米のマルシェやスーパーなどで手に取ることのできる、フレッシュで食べてもおいしい味わいを目指して品種を選んできました。
ラズベリー・ブラックベリーはそのまま、パンケーキやヨーグルト、オートミールに添えるだけでなく、焼き菓子やお肉のソースなどとても幅広く楽しむことができます。ウィスキーと合わせた大人味のデザートなど、スコットランドらしい食べ方も紹介しています。ベリーを特別な日のものではなく、毎日の食卓で気軽に楽しめる存在にしていきたいと思っています。

もともと自然の中で暮らすことが好きで、持続可能なライフスタイルを次の世代へつなげたいという想いが重なり、自分たちで農業をしたいと考えるようになりました。
また、夫はスコットランド出身で、ラズベリーはとても身近な果物。私自身もアメリカで暮らしていた頃、スーパーにブラックベリーやラズベリーが並んでいる日常に驚き、ベリーのある食卓に親しんできました。
日本で農業をするなら、自分たちの好きなもの、そして夫の出身地にもゆかりのあるものを育てたい。そう考え、ラズベリーやブラックベリーに的を絞りました。当時住んでいた長野での栽培も考えましたが、夏の暑さや湿度がラズベリーには厳しいことがわかり、より適した気候を求めて北海道へ移住しました。
しかし、日本では商業用のラズベリー・ブラックベリー栽培はとても少なく、苗木を手に入れることも簡単ではありませんでした。スコットランドから苗木を輸入した際には、300本のうち実際に植えられたのは50本ほどだったこともあります。
日本での栽培情報が少ない中、海外の研究を調べたり、ファームステイ時の恩師たちからアドバイスを得たりと、少しずつ畑と向き合ってきました。前例が少ない作物だからこそ、出荷経路や資金面でも苦労はありましたが、オーガニックベリーを日本の食卓に届けたいという気持ちを大切に、夫婦で一歩ずつ歩んでいます。
Hakodate Berriesの畑では、ベリー類がもともと森の中でさまざまな生き物と共存して育つ植物であることを意識しています。
慣行農業のあと、しばらく休耕地だった畑を少しずつ整えながら、生物多様性を大切にした環境づくりを進めてきました。農薬や化学肥料に頼らず、畑にいる虫や鳥、草花など、さまざまな命とともにベリーがのびのびと育つことを大切にしています。苗木を最初に植えた年の大雨時には水没してしまったエリアも、少しずつ水捌けが良くなり、生えてくる草たち、そこに住む目に見える虫たちも変わってきました。エコシステムのパワーに驚くと共に、より居心地が良くなっていく畑がますます愛おしくなる日々です。

◎私たちが畑を管理し始めて、はじめて迎えた春。ラズベリー・ブラックベリーの列を作り、苗木を植えました。苗たちがある程度大きくなってきたら、支柱を立てベリーがよりのびのび育つお手伝いを。プラスチックマルチを使っていないので、草の管理もしながら、毎年この作業を地道に繰り返しています。

◎ようやくベリーファームらしくなってきた畑
上空からも小鳥の声がする、居心地の良い空間が広がっています。6シーズン目の来年、ようやく畑全面へのベリーたちの植樹が済む予定です。
なるべくプラスチックレスでやっていく、ということも意識しています。農業や日々の生活には、プラスチック資材が当たり前のように使われています。私たちは、そのひとつひとつを見直し、できるだけプラスチック、特に使い捨てになるものは使わない方法を選ぶようにしています。ラベル一枚、袋一枚、容器一枚の積み重ねではありますが、生産者としてできることを続けています。
蜂がのびのび飛びまわれる畑で、私たち自身も、お客さまも、地域の方々も、応援してくださる方々も、笑顔で過ごせる毎日をつくりたいという気持ちを込めています。
まずは自分たち、家族みんながhappyでいること。そして持続可能な農業の形を考えながら、ビジネスとしてもしっかりと成り立つオーガニックファームを目指し、農業を次の世代にとって魅力ある営みにしていきたいです。
オーガニックベリーという選択肢を、もっと多くの方の日常へ。
函館の畑から、のびのびと育ったベリーのおいしさをお届けしていきます。


北海道函館市のオーガニックベリーファーム(有機JAS認証圃場)。スコットランド生まれ函館育ちのラズベリーを始め、ゴールデンラズベリー、ブラックベリーなどを、2022年より函館山を臨む風が通る居心地の良い畑でさまざまな命たちと一緒にのびのびと育てています。ファームモットーは”Bee Very Berry Happy"。次世代へと繋ぎたい自然への想いと共に、食卓にベリーを身近な食べ物として届ける選択肢と健康で笑顔溢れる毎日を、と日々畑を中心とした暮らしを営んでいます。


