幼かった頃は、なぜだか春はやたらとチューリップが主役な毎日でした。
歌を歌えば咲いた咲いた🎵
庭に出れば「ほら!目が出たよ!」
黄色と赤のちゅうリップが咲き始めると
母も毎日嬉しそうにチューリップを手入れします。
そんな綺麗なチューリップ一色の私の前に
突然現れたのがシャガ。
ドレスの様なその姿にうっとりして
早速花を摘んだことを覚えています。
家の中で夕ご飯を作っていた母に
こんな美しい花があったと見せにいくと
「あんまり好き違うねん」と
幼かった私には結構なパンチのある母のセリフに
言葉を失った様な記憶があります。
こんな美しい花が好きじゃない?!
綺麗だと思わない?!
どうかしてる!!!!
摘んだ花は、花瓶にさしてもらいましたが
モヤっとしたものが残ったのはいうまでもありません。
母は無類の「蛾」嫌いで、小さな蛾でも
見つけた途端発狂してダッシュで逃げてしまいます。
その時の俊敏さたるや、何か種目であれば
世界記録狙えるほどです。
シャガの花は見ようによっては
「蛾」の模様に見えなくもありません。
母にとってシャガの花はそちらを連想するもの
だったのでしょう。
春になり草花を
花瓶に飾る母の花瓶に一度もシャガは生けられていた
ことがありません。
私の推理どうやら当たっていそうです。