大寒の水を特別なものとして昔からとっておきます。
お鏡餅もこの水に浸けておきます。
この時期の空気の温度は温度計の示す同じ1度でも、全く違うと思っています。
深く眠っているような空気です。
体に染み渡っていく冷たさは、「生きている」ことを再認識させられます。
今頃になって気がついたことがあります。
寒いから暖かさを求めて服を着込んだりストーブの前に行くよりも、
潔く体を寒さに晒す方が、寒くありません。
池の中の金魚たちどうしているのかと思いを馳せます。
夏の頃は、水面で気持ちよさそうに泳ぐ姿を見ますが、この季節にはちっとも姿を見せません。
薄い氷が張っては、ゆっくり溶けていく。
この繰り返しを何度も経て、ふきのとうが顔を出します。
今までの自転と同じ速さのはずなのに、日に日にそのスピードが増すような体感で次々に命が芽吹き始めます。
大寒の頃は、私も生きる速度を緩めてみようかな。
池に張った薄氷の上に雪が積もり始めました。
さっきまで、お日様が出ていたのに。
どうやら積もりそうです。
山の中から鳥の声がしました。
山の動物たちもこの寒さの中を静かに生きているのを思い出しました。