2026/09/29

東東京、葛飾区と江戸川区の狭間の下町で、近隣の農家さんから届く野菜や果物、全国のつながりの中で出会った素材を生かし、アイスを少量ずつ手作りしています。決まった定番フレーバーを並べるのではなく、その季節、その時に出会えた素材から、新しい味が生まれています。
あくびのアイスは、白砂糖や卵、乳化剤、増粘剤、香料などの添加物を使わず、できるだけシンプルな材料で、素材の味が伝わる軽やかな一品を目指しています。動物性原料を使わないものや、ナッツを使わないものなど、フレーバーによって使う素材もさまざま。
食べるものに何らかの制約がある方にも、選べる味がひとつでも見つかり、みんなで一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。
(店主はカシューナッツとピスタチオのアレルギーがあるため、ヴィーガンのアイスが食べられないものも多いことに気づき、フレーバーによってアレルゲンを分散することで、食べられる人が増えたらいいなと思っています)
私自身、農家さんを訪ねたり、知人から生産者さんをご紹介いただいたりしながら、素材の背景や作り手の想いにも触れてきました。
「アイスと旅する」をコンセプトに、食べると旅する気持ちになれたり、新しい発見があったり、人に会いにいきたくなるようなアイスクリームを目指しています。

以前はWEBディレクターなどの仕事をしていましたが、子どもが生まれたことをきっかけに、もっと人の暮らしに近い仕事へ心が向き「子どもにたくさんの大人の背中を見せたい」と思うようになりました。
子どもと暮らす地域を面白くしながら、人が集まる場所をつくりたい。顔見知りが増えて、ご近所さんと子どもの成長を喜びあえたらいいなと思っています。
アイス屋を始めることになったきっかけの一つは、クラフトビールを作る友人が、大雨で落ちて出荷できなくなった果物を引き取り、ビールへと生まれ変わらせる姿を見たことでした。傷がついた野菜や形の不揃いな果物、酒粕などの副産物も、アイスならおいしく包み込み、新しい魅力を届けられる。アイスクリームの懐の深さに無限の可能性を感じています。
飲食の仕事をしていなかったからこそ、通常やらないような配合にも挑戦するし、入れなくてもおいしく作れるのであれば、不要なものは使わない。
そうして選び取ってきたのが、今のシンプルな作り方です。
甘いものが得意ではなかった自分自身も心地よく食べられる、後味の軽いアイスを目指し、素材の組み合わせを頭の中で描きながら試作を重ねています。
野菜や果物にハーブやスパイスを合わせ、意外なのにもう一度食べたくなる味を探す時間も、ものづくりの醍醐味です。

私たちは、アイスを売るだけでなく、おいしく楽しい体験や、知らなかった世界と出会うきっかけを届けたいと思っています。
だからこそ、店頭で大切にしているのは、カウンター越しの会話。お客さま同士にも自然と交流が生まれる、ご近所の小さなハブのような場所を目指してきました。大豆農家さんや豆腐屋さんを招いた味噌・豆腐づくり体験や、お客さまと一緒に農園を訪ねるようなイベントも、今後も大切にしていきたいです。
こうして、店舗で生まれたつながりが、日常の挨拶や会話へ広がり、地域の子どもたちをみんなで見守れるような関係に育っていくこと。そして、この地域に愛着を持つ人が増えていくことを願っています。ECでアイスを知ってくださった方にも、いつか葛飾のお店へ足を運んでいただき、ご近所の方とお話してもらえたら嬉しいです。この下町の人と訪れる人、交流が生まれていったら、さらに面白いと思っています。

アイスに使う素材だけでなく、その土地や生産者さんの物語も伝えていきたいと考えています。食べたことをきっかけに生産者さんへ会いに行き、その土地へ通うようになる。物理的には離れていても、年に一度は会いに行ったり、子どもの成長を一緒に喜んだりできる。そんな「遠くの親戚」のような、ゆるやかであたたかな関係が、国内外にたくさん生まれていくことを思い描いています。
いつも同じ味を選んでいた方が、あくびのアイスをきっかけに、初めての組み合わせへ挑戦してくださることもあります。「おいしい」の先に、その素材がどこから来たのか、誰が作ったのかまで興味を広げてもらえることが、何よりの喜びです。
私自身も、さらに生産の現場へ足を運び、山や地域に眠る、市場ではなかなか出会えない素材も探してみたいと思っています。また、現地の素材でアイスを作るワークショップなど、都会に暮らす方と地域をつなぐ構想も、少しずつ育てているところです。
あくびに来れば何か面白いことに出会え、アイスを取り寄せれば暮らしに新しい風が吹く。そんな存在でありたいと思っています。


こちら葛飾区下町商店街のアイスとクラフトビールの店、あくびです。
白砂糖や卵、添加物を足さずにアイスクリームを作っています。
葛飾をはじめとした旬の果物や野菜、国内外を旅して見つけた素材と、スパイスや味噌なども組み合わせ、旅している気持ちになれたり、発見のあるアイスになったら嬉しいです。
定番のフレーバーはほとんどないので、その時々で変わるフレーバーをおたのしみください!

