寒露(10月8日〜10月22日頃) 陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすればなり
降霜(10月23日〜11月6日頃) 露が陰気にむすぼれて、霜となりて降る故なり
木々の葉が色づき始め、秋が深まってきました。一日を通して涼しさを感じる過ごしやすい季節です。秋は、別名「白秋(はくしゅう)」とも呼ばれています。北原白秋の名前の由来ともいわれます。
春は青春(せいしゅん)、夏は朱夏(しゅか)、冬は玄冬(げんとう)というように、それぞれの季節に相応じる色があります。これらの四季と色の割り当ては、古来中国より伝わる東洋医学の考え方に基づきます。
万物は木(もく)火(か)土(ど)金(ごん)水(すい)の五元素からなるという五行論です。自然界に存在する全てのものをそれぞれ五つの元素に分類する理論です。
五行論と聞くと馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちの日常生活の中で、探してみると意外と身近にあるものです。例えば、3月3日の桃の節句や、5月5日の端午の節句などの五節句も五行論に基づいています。
「土用の丑の日にはウナギを食べると良い」という言葉にも五行論が背景にあります。土用は春夏秋冬の各季節の変わり目の前18日間をいい、春夏秋冬と土用を合わせて5つの季節と捉えています。
冬の土用入りは2021年10月20日、立冬の前日11月6日まで土用の期間です。 この時期は体調を崩しやすいため、ゆっくりと過ごして養生することが良いとされています。
胃腸にやさしく栄養のあるものを食べましょう。また、食事の内容と同じくらい大切にしたいことは咀嚼(そしゃく)です。咀嚼は、食べ物を小さくするだけでなく、消化液の分泌を促したり、胃腸への負担を和らげたり、脳を活性化したりする働きがあります。
生活
秋風に吹かれて、物寂しく感じる方が多い時期です。動物が身を寄せ合って温まる本能と同じで、人肌の温かさを求めているともいわれます。誰もがそのような気持ちになり得るということです。 心の余裕が生まれたら、季節の移り変わりを感じつつ美術館巡りなどで芸術に触れて、好奇心を刺激してみましょう。また、秋は身体にきれいな空気を取り込む季節です。空気のきれいな場所を訪れて深呼吸するのもおすすめです。
食養生
土用の期間に注意したいのは、甘いもの、脂っこいもの、アルコールの3つです。季節の変わり目に不調が出やすい方は、これらを控えてみましょう。また、空腹を感じてから食事をとることを意識して、胃腸を休ませましょう。
旬の食材
かぼちゃ、れんこん、きのこ類、イモ類、ごぼう、生姜など 旬の食材は栄養価が高く、味が濃くておいしいです。うぶすなでは旬の食材を使ったメニューをご用意しております。