芒種(6月5日~6月20日) 芒(のぎ)ある穀類、稼種するときなればなり
夏至(6月21日~7月6日) 陽熱至極しまた、日の長きの至りなるをもってなり
天気のすぐれない日が多くなり、梅雨の季節となりました。「梅雨」と書くようになったのは、梅の実が熟する時期の雨だからといわれています。
雨の音を聞いて、気分が下がる方がいらっしゃる一方で、心が落ち着くという方も多いかもしれません。雨の音には、リラックス効果があるようです。自然界では、小川のせせらぎやろうそくの火の揺れ、人間の心拍の間隔、安静にしているときの脳波などに「1/fゆらぎ」が見られ、これは雨の音にも当てはまります。体と同じ「1/fゆらぎ」を感知すると私たち人間は心地よい気分になります。雨で気分が下がってしまったときには、一息ついて自然の音に耳を傾けてみると良いかもしれません。
冒頭に紹介している、暦便覧の「芒(のぎ)ある穀類、稼種するときなればなり」は穀物の種をまく時期という意味です。旧暦と新暦のずれがあるので、実際には田植えを終えている地域の方が多いといわれています。夏至は、1年で1番昼が長い日です。この日は、北極付近では一日中太陽が沈まない白夜、南極付近では一日中太陽が昇らない極夜となります。
梅雨の時期には、体に余分な水分が溜まりやすいと言われています。また、東洋医学の考え方では、湿気が苦手な脾胃(消化器官)の疲れが出やすい時期でもあります。生ものを避け、消化吸収の良いものを食べたり、利水の効能のあるものを日々の食事に取り入れたりして、水はけのよい身体を目指しましょう。
生活
この季節は気温や湿度の変化が大きく、「体が重だるい」「頭痛」のような不調が出やすいです。37℃~39℃のぬるいお湯にゆっくり入ると、副交感神経が刺激されて精神の緊張がほぐれます。
食養生
きゅうりは利水作用を持ち、夏の体のほてりを内側から冷ます働きがあります。逆に、雨で身体が冷えていると感じるときには、温める作用のある食材を取り入れ、調整しましょう。温性の食材には、玉ねぎ、大葉、パクチーなどがあります。利水の働きを持つ食材には、はとむぎ、玄米、とうもろこしなどがあります。
旬の食材
トマト・レタス・きゅうり・なす・ピーマン・新じゃが・新玉ねぎなど 。旬の食材は栄養価が高く、味が濃くておいしいです。日々のお食事に取り入れたいものです。