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生産者のお便りとお知らせ

「殻が語る、季節のリズム」

2025/10/10

「殻が語る、季節のリズム」

今の時期は、 卵が少し割れやすく感じられることがあります。 それは、鶏たちの体の働きと夏の気候が重なっているからです。

まず卵は、 黄身を中心に白身が重なりながら形づくられます。 そしてそれを覆う殻は、鶏の体の中で半日以上かけて、 少しずつカルシウムが沈着しながら仕上がっていきます。

ところが暑い季節には、 体温を下げるために水をたくさん飲み、 卵が体を通るスピードも速まります。 そのため殻がじっくり厚みを増す時間が足りず、 やや薄めに仕上がりやすくなります。

そうした卵は、手にしたときにどこか “軽やか”に私は感じます。 指先に伝わるその感覚が、殻の薄さをそっと教えてくれます。

反対に冬は、代謝の流れがゆるやかになり、 殻はしっかりと厚みを増していきます。 手にのせたときに感じる“ずっしりとした重厚さ”は、 その季節の証でもあります。

卵の感触の違いもまた、 鶏たちが生きる季節のリズムを映しています。

その変化も、鶏たちと自然からの小さな贈りものとして 受け入れていただけたら幸いです。

-放牧鶏「暖鷄」-

2025.8.24 Instagram

NaturalEggLab長崎県(放牧養鶏/平飼い放牧卵itadaki,親鶏肉,スイーツの販売)

“生きものが生きものらしく、生きられるように。”

空と大地、風と陽だまりに包まれて
この地で育つ鶏たちは、
大地を駆け、草、土に触れ、木に登り、砂浴びをして暮らします。
陽のあたる場所でまどろみ、風の通り道を見つけては羽をひろげる——
そんな日々の延長に、卵はそっと生まれます。

私たちが大切にしているのは、卵の量でも効率でもありません。
“どう生きたいか”を鶏たちに問い、
その声なき声に耳を澄ませながら、
いのちのリズムによりそった暮らしを提供し続けています。

いのちを急かさず、搾り取らず、
その存在をまるごと尊重すること。
そんな環境から生まれる一粒には、
季節も、暮らしも、いのちの時間もすべてが宿っています。

私たちは、その卵を
“いただく”という敬意とともに、あなたのもとへ大切にお届けします。

たくさんの卵より、たくさんの笑顔を。

この一粒が、
あなたの中にある“あたたかさ”や“豊かさ”と、
そっと響きあいますように。

── NaturalEggLab 山野暖尭


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