
朝の放牧場に、まだ柔らかな光が差し込みます。
ひんやりとした朝露が土の香りを濃くして、空気が少しひんやりと澄んでいます。
にわとりたちは一羽、また一羽と地面に腰を落とし、土をかき寄せながら体をくるむようにして座り込みます。これが彼らのお風呂、いわゆる砂浴びです。 細かい土がふわっと舞い上がり、羽の奥まで入り込むと、体についた余分な脂や虫を落とし、羽毛を整える役割を果たします。 目を細め、時には目を閉じてうっとりと動きを止める姿は、まるで温泉に浸かる人のよう。 羽を大きく広げ、ひっくり返り、土のぬくもりと香りを全身で受け止める光景は、見ているこちらまで心がほどけます。
砂浴びの合間には仲間同士が羽をつつき合い、ぱさぱさと土を落とす音が静かな朝に響きます。 やがて一斉に立ち上がり、羽をぱさりと払って一段と艶やかに。
自然の中で自分を清める時間は、彼らにとって一日の始まりの儀式なのかもしれません。
皆さんの今日も、穏やかで、健やかに過ごせますように。
-暖鶏-
2025.8.21 Instagram

