威風の羽ばたき
ただの羽ばたきに見えても、そこには深い意味があります。 群れを背に、堂々と空気を揺らす姿。
オスはときどき、大きく羽を打ち下ろします。 学術的には「ディスプレイ行動」と呼ばれ、仲間や外の世界に「ここに自分がいる」と知らせているのだそうです。
ここで暮らしていると、学びは本や論文よりも、鶏たち自身から得ることのほうが多いと感じます。 羽音が数秒響くと、群れ全体が一瞬ぴたりと止まり、若い雌は首をかしげ、遠くの仲間も顔を上げる。 そして、ゆっくりと元のリズムに戻っていきます。
作業の手を止めて見ていると、小さな合図ひとつで群れ全体の空気が変わることに気づきます。 ただの羽ばたきが、その日の群れの調子や、安心感を伝えてくれているようで、思わずこちらもほっとします。
羽ばたきは、単なる動きではなく、今日も群れが無事に暮らしていることを知らせる小さなサイン。 そう思える瞬間が、日々の暮らしの楽しみのひとつになっています。
-放牧鶏「暖鷄」-
