
「はじまりの、ひと呼吸。」
はじめて見る光。
はじめて聞く音。
この世界に生まれて、まだまもない雛たち。
ふらふらと、小さな足で立ち上がり、 よちよちと、世界を確かめるように歩き出す。
かよわく見えて、 でもそこには、まっすぐな力が宿っている。
初生雛(しょせいびな)たちが、 それぞれの命を立ち上げていく時間。
彼らが持って生まれた「生きる力」が、 そのまま、のびのびと存分に発揮されるように。
私ができるのは、 そっと整え、寄り添い、任せることだけ。
初生雛は、体温調節がまだ上手くできないため、 温度や湿度、安心できる空間づくりがとても大切です。
ですが、 「育てる」というより、
「育つのを邪魔しない」ことを、
いつも心がけています。
やがてこの子たちは、「暖鷄」として、 空の下を思い切り自由に歩き、走りはじめます。
命のはじまりに立ち会わせてもらえるこの時間は、 いつも、かけがえのないひとときです。
そして..
この子たちはいつも教えてくれる。
生きるということにただ貪欲な姿勢を。
覚悟を。
新たな一歩を踏み出す勇気を。
養鶏を始める前、 あの時思い描いていたことは、
ある面では大いに形になっている。
ただ、 足りていないものがたくさんあった。
ありすぎた。
これまで大切な家族にどんな思いをさせてきただろうか。
苦しい中ずっと支えてくれる妻。
笑顔で迎えてくれる子どもたち。
この間、家族に何をしてあげられただろう。
これからは、 鶏たち、応援してくださる皆様、支えてくれる仲間、
そして何より家族。
皆がより幸せを感じながら暮らせるように。
そう決意しています。
これまで大小さまざまな波にのまれ、 溺れかけた。
いや多分、何回か溺れた。
それでもやり続けた。
自力で浮上できない時は、 たくさんの方に引っ張っていただいた。
感謝の気持ちで、
底から這い上がって、もう一度呼吸を整えて。
ここからまたはじまる。
始めた時の、
あの時以上に、
大きな覚悟で望んでいる。
新たな一歩はもう踏み出した。
私はやる。
※投稿写真・動画は昨年の様子/
-放牧鶏「暖鷄」-

