空は広くて、風も通る。
ですが、この放牧場にはネットが張られています。
上まで、しっかりと。
思いだけでは、守れないものがある。
見た目の「自由さ」だけでは、続けられない現実もあります。
猛禽類やカラス。
空からやってくる脅威を防ぐために。
そして、飼養衛生管理基準に沿って、鶏たちを守るために。
この放牧養鶏というかたちを、
未来に繋げていくためには、
ルールの中で、どこまで自然の営みを守れるか。
それが、いつも問われていると感じます。
簡単ではないです。
鶏たちにとって自然であることを大切にしながら、
その自由を整えるために、ときに矛盾するようにも見える
人間のルールを守っていくこと。
その両立は、想像以上に難しいものです。
しかし、
もし守られていなければ。
そしてそのとき、万が一の事態が起きてしまえば。
「やっぱり、ああいう飼い方は危ない」と
決めつけられてしまうかもしれない。
たったひとつの例が、
放牧や平飼いそのものを“危険なやり方”だと
見なされてしまうかもしれない。
そうなれば、本当に終わってしまうと思っています。
この放牧養鶏が、信頼ごと。
そのうえで、私は問い続けています。
鶏たちが、この場所でどう在りたいのか。
囲いの中でも、どうすれば自然の一部として生きていけるのか。
たとえば、境界の設け方ひとつにも、できる限りの工夫を。
空を遮りすぎず、太陽や風、そして青空。
自然の気配を、鶏たちがそのまま感じ取れるように。
それでも、きちんと守れるように。
「囲われていても、世界と切り離さないこと。」
それを形にしています。
そのわずかな違いが、この放牧場のあり方をつくっていると思うのです。
思いだけでは守れない。
しかし、思いがなければ、守る意味もなくなってしまう。
だから今日も、静かに、守り続けています。
NaturalEggLab
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※
放牧という言葉が、
いつも理想と重なるわけではありません。
「自由」を守るには、制限と向き合う矛盾も引き受けなければなりません。
飼養衛生管理基準では、空からの感染リスクへの備えも求められています。
万が一の事態が起きれば、「放牧そのものが危険」とされかねない現実もあります。
だからこそ、「見た目の自由さ」にとらわれず、
見えにくい部分ほど丁寧に。
自然との共生を、本気で続けるために。
本気で。
-放牧鶏「暖鷄」-