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2025/08/04

打ち水-涼を求めて

朝いちばん、まだ空気がひんやりとしているうちに、青々とした草をたっぷり刈って運びます。 束ねた草を抱えて鶏舎へ向かうと、鶏たちはすぐに気づいて駆け寄ってきて、夢中でついばみはじめます。 葉を選んでじっくり味わう子、くちばしいっぱいにくわえて走る子、それぞれの過ごし方があって可笑しくて、愛おしくて。 静かな朝の空気のなかで、草の緑と、鶏たちの茶や白や黒が、やわらかく交じりあいます。

そして、陽が高くなりはじめた昼前、今度は打ち水の時間。 鶏舎の中や放牧場の地面に、冷たい水をたっぷりと。 水が撒かれたところから、じんわりと熱が引いていきます。 舞い上がる水しぶきに誘われて、鶏たちもぱたぱたと集まってきて、 濡れた地面にしゃがみこんだり、水たまりにくちばしをちょんちょんとつけたり。 ほんの少しの水でも、ちゃんと涼を見つけて、楽しんでくれます。

夏は、ちいさな気づきと工夫の積み重ね。 自然に寄り添いながら、鶏たちのペースで、今日もゆっくりと。

— 放牧鶏「暖鷄」 —

NaturalEggLab長崎県(放牧養鶏/平飼い放牧卵itadaki,親鶏肉,スイーツの販売)

“生きものが生きものらしく、生きられるように。”

空と大地、風と陽だまりに包まれて
この地で育つ鶏たちは、
大地を駆け、草、土に触れ、木に登り、砂浴びをして暮らします。
陽のあたる場所でまどろみ、風の通り道を見つけては羽をひろげる——
そんな日々の延長に、卵はそっと生まれます。

私たちが大切にしているのは、卵の量でも効率でもありません。
“どう生きたいか”を鶏たちに問い、
その声なき声に耳を澄ませながら、
いのちのリズムによりそった暮らしを提供し続けています。

いのちを急かさず、搾り取らず、
その存在をまるごと尊重すること。
そんな環境から生まれる一粒には、
季節も、暮らしも、いのちの時間もすべてが宿っています。

私たちは、その卵を
“いただく”という敬意とともに、あなたのもとへ大切にお届けします。

たくさんの卵より、たくさんの笑顔を。

この一粒が、
あなたの中にある“あたたかさ”や“豊かさ”と、
そっと響きあいますように。

── NaturalEggLab 山野暖尭


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