種の違いを知ろう!「交配種(F1)」とは。

固定種が、簡単に形質を継げるものではないことをご理解いただいたところで、交配種(F1)の話に移りましょう!
このところ、なんだか一部のお客さんに嫌われてしまったかわいそうな交配種(F1)!…ですが、ホントにこの子は問題があるのでしょうか?
ここで一つご注意していただきたいのは、前提としてここでは「哲学的な話はしません」
農家さんによっては、「固定種」を大変大切にして、そのことを誇りに思っている方もいらっしゃいますし、その品種こそがいい野菜ができると考えている方もいらっしゃいます。私は、その考えを否定しません。それぞれに種に対する思い入れがあり、大切にするのは当然なんです~!ワタシだって、自分で継いできた種の方が、買った種よりかわいいですからね?!
・・・とはいえ、ここはお勉強。「選び取るため」に、まずは淡々と事実を確認していきましょう。
交配種とはスライドに記載したように、違う特徴を持つ親(F0)と親(F0)とを掛け合わせて、新たに新しい形質を獲得したこども(F1)のこと。この(F1)同士を受粉させてタネを作っても、残念ながら違う形質になってしまいます。
ところで種を取るためにやっていることと言えば、固定種も交配種も、親(F0)と親(F0)とを掛け合わせて、こども(F1)を作るということ… その行程に違いはないんですよー!!!
そもそも論。農耕を始めた人類は、野草を選別して野菜を作り出した

固定種が、簡単には形質を保てないという説明でピンた方もいるはず。
そう… そもそも「野菜」というものは、野草よりえぐみが少なく食べやすいし、たくさん収穫できますよね? これらは、もとはと言えば、人類が農耕を始めた時に、美味しい個体、たくさん取れる個体、長期保存できる個体… と選別して、新しい「品種」を育ててきたから。
そう… つまり、「人為的な交配」によって、よりよいタネを選んできたわけです。
いまでも固定種のタネ取りに、「大きいものを選ぼう」「良い形のものを選ぼう」として、種を残しています。人為的に働きかけて得られた形質… という面で、交配種と大きな違いはありません。
固定種と言われているものも、何世代か重ねて「やっと固定種になれた!」というものもあります。
美味しいお野菜は、選別と交配の繰り返しで生まれてきたんですね。人類の長い歴史が生み出した、素晴らしい発明品ではないでしょうか。
自然界においても、品種改良(交配)は、環境変化に対応するための生き残り戦略でもある
昨今、夏の暑さが厳しくなり、お米不足が話題ですが、その解決方法としても、温暖地域で育つ新しいお米の開発はあちこちで行われているようです。日本はお野菜栽培には恵まれた環境のように思いますが、日当たりの悪いところ、寒いところ、土の栄養が少ないところ、乾燥しているところ… そういった環境の違いを、新しい品種の開発で乗り越えたりする。それは、長い人類の歴史で当然されてきたこと。
・・・と同時に、そういった環境変化に対応するため、野生の植物たちも多くの交配を行って多様性を維持することが、生き残るための戦略となっています。
やっていることは同じこと。種が混じるのは怖くない!!!
ただし、 放射線や薬剤で変異を起こすことは、自然界で起こることではないので、環境への影響が心配されています。これにおいては、「まだ調査が不十分でその影響がわからない」というのが私の見解です。

