「和」の常識を鮮やかに裏切る。断面を愛でる、丹波黒豆と黒胡麻のアートピース。

5月のシュガーデトックス。当初は初夏のフルーツを主役にと考えていましたが、納得のいく素材との出会いを待つ中で、素晴らしい縁に恵まれました。手に入ったのは、黒豆の聖地・兵庫県丹波市で育てられた、希少な「自然栽培の丹波黒豆」です。
黒豆と黒胡麻。どちらも「黒」を纏う、和スイーツの王道です。最初はシックにまとめようかとも思いました。けれど、それでは皆さんが想像できる「予定調和の味」に収まってしまう。私は、一口食べた瞬間に脳が驚き、細胞が喜ぶような、多層的な感動を届けたいと考えました。何日も試作を重ね、ようやく辿り着いたのが今回の構成です。
一番のこだわりは、この「断面」

通常のケーキは横からしか見えない断層を、あえて真上から鑑賞できるよう、ケーキを横に倒したデザインを採用しました。積み上げられた素材の色彩と比率は、まさに一枚の絵画。視覚からまず楽しんでいただく、アートとしての提案です。
その構成は、緻密かつ大胆です。 香ばしい黒胡麻のスポンジとクリーム、そして濃厚なカスタード。ここに、ハッとするようなブラッドオレンジゼリーの酸味を忍ばせました。和の重厚な風味を、オレンジの閃光が軽やかに追い越していく——。これまでの「黒胡麻ケーキ」の概念を心地よく裏切る、未体験の調和を感じていただけるはずです。
土台には、アーモンドが弾けるカカオ65%のチョコレートを。このチョコも、100%のカカオからラボで独自に配合した、このケーキのためだけの特製です。
丹波の大地が育んだ生命力あふれる黒豆と、計算し尽くされた洋の要素。 「和」と「洋」が混ざり合い、重力から解放された美しい地層を、ぜひ五感すべてでご堪能ください。
