一口の感動を支える、目に見えない『設計図』

実際に手を動かす前の『何をどう作るか』を練り上げる時間は、実は最も熱量のいる、もうひとつの調理工程だと思っています。
私のケーキ作りは、単なる味の追求に留まりません。口にした後、その栄養素が体内でどう反応し、代謝されていくかという生理学的な視点から逆算して設計します。食材が持つプラスの栄養価を最大限に引き出す一方で、体への負担となるマイナスの要素をどう排除するか。この両立は、パズルを解くような緻密な思考を要します。
さらに、小麦粉や米粉、砂糖を一切使わないという制約の中で、冷凍・解凍しても離水させず、完璧な食感を保つための化学的アプローチも不可欠です。タンパク質の変性や脂質の乳化状態を脳内でシミュレーションし、何十通りもの組み合わせから正解を導き出す試行錯誤は、オーブンに向かう時間以上にクリエイティブで、奥深い産みの苦しみがあります。

完成したケーキの背景にある、そんな『見えない思考の時間』も、ひとつの隠し味として感じていただければ幸いです。
4月のスイーツ商品販売開始しております。
